BBCによると、英ケンブリッジ大の宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士が死去、76歳だった。同氏は筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘いながら宇宙論を発表し続ける “車いすの天才学者” として知られていた。

・英国生まれオックスフォード大に入学

スティーブン・ホーキング博士は1942年、英国生まれ。17歳でオックスフォード大に入学した後、21歳で体の筋肉が動きにくくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と診断されてから、車椅子の生活を余儀なくされた。

1960年代にはブラックホールに関する新たな理論を提唱したほか、1983年には宇宙の始まりを解明する「無境界境界条件」論を展開するなど、次々と独自の宇宙理論を発表。現代宇宙論に多大な影響を与えている。

・フレンドリーな人物

その他、ホーキング博士は宇宙の魅力を一般の人々に伝える活動にも注力。1988年に出版した「ホーキング、宇宙を語る」は世界で1千万部を超えるベストセラーとなり、宇宙論の入門書として日本でも大きな話題となった。 

また、ホーキング博士の伝記映画『博士と彼女のセオリー』で主役のエディ・レッドメインが米アカデミー主演男優賞を受賞した際、自身の Facebookページでお祝いのコメントを寄せたり、中国の男性アイドルがSNSにアップした質問動画に返答するなど、フレンドリーな一面を持つ人物としても知られている。

近年は「AI(人工知能)の進化は人類滅亡のおそれがある」と警鐘を鳴らしたり、『人類の美点と欠点は?』という質問に対し「戦いばかりしている人類は滅びる」と答えたりと、人類の未来に対しての言及も多かった。心からご冥福をお祈りします。

参照元:NHK産経新聞BBC(英語)
執筆:K.ナガハシ