韓国ドラマのDVDかと思ったらインスタントラーメンだった。何を言っているか分からないと思うが、私もそれが一体何なのか分からなかった。唯一分かったことといったら、インスタントラーメンの中に異質の存在が紛れ込んでいるということくらい。

なにせ、そのラーメンの名前は……


「運命の赤い糸」!


・目立ちまくっていた「運命の赤い糸」

私がそれを見つけたのは、東京駅の駅ナカだった。以前の記事でも紹介したご当地インスタントラーメンのイベント(現在は終了)で、その商品が販売されていたのである。


大量に並ぶインスタントラーメンの中で、独特の存在感を放つ「運命の赤い糸」。メルヘン無双とでも言いたくなるようなアピールに引き込まれるように、私は商品を手にとった。


同時に、イベントで無料配布されていたパンフレットで商品について調べたのだが、そのとき私は「運命の赤い糸」の意外なバックボーンにビビることになる。というのも……



え?



マジ?



「世界初の神社ラーメン」ってことは、神社が販売しているってこと? 「運命の赤い糸」というクセ強な名前のラーメンを? いやいや、神主さんのネーミングセンスどうなってんねん!

——と思ったのだが、そもそも製造を手掛けているのは「江崎製麺」という会社で、神社が作っているわけではないようだ。


興味が湧いた私は「運命の赤い糸」を購入し、家に帰ってググってみた。すると、神社がこのラーメンと深い関わりを持つのは確かなようで、「運命の赤い糸」の公式サイトには以下のように記載されている。


「福岡県筑後市に恋愛のパワースポットで有名な恋木神社という神社があります。恋愛にご利益があるとされる恋木神社に奉納された運命の赤い糸。地域の方々と開催した恋活イベントの参加者約60名の方々から意見を集め完成させた、名実ともに「恋」のラーメンです


そう、つまりパンフレットに記載されていた神社とは、福岡県筑後市にある恋木神社(こいのきじんじゃ)。そしてそこは恋愛のパワースポットであり、恋愛の神様が祀られている場所だったのだ。

なお、恋木神社の公式サイトを見てみると、全体的にハートとピンク率高め。プリクラのフレームみたいだなと思いながら、さらにググってみると……


・『鬼滅の刃』の聖地だった

なんと、恋木神社は『鬼滅の刃』の聖地とも言われる場所であった。なぜなら『鬼滅の刃』の “ある人” を彷彿させると言われているから……なのだが、おそらく同作のファンならすでにお察しだろう。なので、いきなり答えを言ってしまいたい。その人物とは……



恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ みつり)!


ここに辿り着いたとき、私の中ですべてがしっくり来た。「運命の赤い糸」は異質でも何でもなかったのだ。甘露寺蜜璃を彷彿とさせると言われる神社に関連しているなら、そりゃあインスタントラーメンもこうなるというもの。納得!


・ラーメンの味

「運命の赤い糸」と「恋木神社」と「甘露寺蜜璃」が1本の線ならぬ1本の糸で繋がったところで、次に気になってくるのはラーメンの味である。作ってみるとしよう。といっても、麺を鍋で2分ゆで、スープを入れて1分ゆでれば完成だ。作り方に変わったところはないのだが、それより何より特徴的なのは……


ピンク色の麺! どこまでもメルヘンである。だから味も当然あっさり系の塩味……と思いきやトンコツってのがまたすごい。

恋愛の神様が祀られている神社といえども、所在地は福岡。メーカーからしてみたらトンコツだけは絶対に譲れなかったので、麺の色で商品イメージとのバランスを取った……のかもしれない。


・通販でも購入できる

ちなみに恋木神社に問い合わせたところ、「運命の赤い糸」は神社でも購入できるとのこと。ただ、社会状況的に現地まで行くのは難しい人だって多いだろうから、そんな人は通販を利用するのがオススメだ。参考までにお伝えすると、公式サイトでは1袋(2食入り)480円で販売しているほか、セット売りもしている。


まぁ、『鬼滅の刃』のファンからすれば通販で買うより神社に行きたいと思ってしまうかもしれないが……。家で1人ピンク色の麺をすすりながら、ラーメンに付いてくる「恋愛ワンポイントアドバイスくじ」を眺めていると結構面白い。こういう形の聖地巡礼も悪くないぞ。

参考リンク:運命の赤い糸(公式)、恋木神社
執筆:和才雄一郎
イラスト:稲葉翔子
Photo:RocketNews24.

▼恋愛ワンポイントアドバイスくじは結構独特。味わい深い内容だ。