暇だ。家にいてもやることがない。プラモデル用の接着剤を探しに行く気力もない私は、接着剤も塗料もいらないプラモがあることを知った。おお! これはまさに私のようなプラモに再チャレンジする者が作るべき代物ではないか! と思い、さっそく購入して組み立てにチャレンジしてみたら加齢がゆえの困難に遭遇した。一筋縄ではいかねえなあ……

・塗料接着剤不要

組み立てに挑んだのは、「楽プラ」と呼ばれる初心者向けのプラモだ。詳しくは「AOSHIMA」から発売されている『THE SNAP KIT』のトヨタ2000GT サンダーシルバーメタリック(税込1250円)である。32分の1モデルのこれが、接着剤がいらないなんて。


開封して中身を見ると、たしかに一般的な車のプラモよりもパーツが少ない気がする。


説明書もとてもシンプルだ。工程は数えるほどしかない。こりゃ、すぐに組み上がるだろう。気晴らしにもならんかな? しかし、その考えが甘いものであったと、すぐに思い知ることになる……。


・ROGAN!

組み立て開始早々、これが気晴らしどころか、トンでもない戦いになることを感じ取った。モデルの組み立てそのものは、それほど難しくない。だが、初老の私にとって苦痛を伴う作業が存在したのだ。それは……。


シール貼り!


過去の記事で何度かお伝えしているように、46歳の私は軽度の老眼である。近くのものが見えづらくなっているのだが、シールパーツはそれをあざ笑うかのように小さい。だって、ピンセットでもつまめないほどなんだよ! え~ん(泣) モノによっては1ミリ、いやそれにも満たない幅のモノさえあった。シールパーツに焦点を合わせることさえ辛い。ため息が出る……。


こんなシールパーツの1つや2つ、無くても大して変わらんわ! そう叫びたかったがグッとガマンした。なぜなら、私ももう大人だからだ!!


・工夫に感動

シール貼りの辛さを噛みしめながら、1歩1歩たしかめるように前へと進む。次第に車の全貌が見えてきた。


工程が進むにつれて、接着剤を一切使わせないための工夫を感じとることができた。たとえば車内のパーツ。組み立て式のダンボールのように、内側に織り込むことで組み上げるようになっている。



カンタンに作ることができるだけでなく、ディテールにもこだわった結果、シールで質感を出す術を選んだのではないだろうか。ノリで作り始めたはずが、メーカーの商品開発の努力に、ちょっと感動してしまった


・俺の2000GT

さて、約1時間半の格闘の結果、無事にトヨタ2000GTが完成した! 俺の車を見てくれッ!!



どうだ、カッコイイだろ!


イカすだろ!


乗ってく?


車のプラモなんて30年ぶりくらいで作ったけど、やってみるもんだね。作ってみると愛着が湧いて、ずっと見ていられる。プラモって結構いい趣味だな~。


・ジオラマ風にしようとしたけど

どうもこれだけじゃ味気ない。そこで、70年代のガールズフィギュアのプラモ(税込840円)と道路標識のプラモ(税込1650円)も用意。これらも組み立てて、ジオラマ風にしてやろうと挑んだ


ところがこれらの組み立てが想像以上に難しかった。というのも、この2つは接着剤が必要なのはもちろん、塗装やヤスリがけ、場合によってはパテ埋めも要する、超本格派プラモだったからだ。オマケ程度に考えていたのに……。完全に侮ってしまった。


どうしよう、組み立てられない。でも買った以上は、使わない訳にはいかない。う~ん、仕方ない。とりあえず、車と一緒に並べて写真だけ撮るか。実際に撮影した写真がこちらです。


完全に深夜の事故現場になってもうた……


俺のかっこいいトヨタ2000GTが事故車両になってしまった。こんなはずじゃなかったのに……。


とにかく、テレビやネット、漫画や本に飽きたらプラモを作ってみるのもアリかもしれないぞ。

参考リンク:AOSHIMA 「THE SNAP KIT
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24