出版不況と言われて久しい。ウェブサービスや電子書籍の普及により、 “紙” の本は昔より売れなくなっている。そんなさなか、シリーズ累計100万部に迫る勢いの子ども向け(小学校高学年)の図鑑があることをご存じだろうか?

それこそが「最強王図鑑シリーズ」で、最新刊は中二病全開の内容。題して、『異種最強王図鑑 闇の王者決定戦編』(税別1200円)だ! 妖怪・幻獣・悪魔がトーナメント形式で戦い、その頂点、闇の王者を決める架空の対戦図鑑なのである。何それ、すげぇえええええええ!

・子どもにウケているらしい

昭和のおじさんたちなら、きっとこの本の魅力がわかるはずである。どうせ、ノートに「剣の絵」を描いていたはずだ。こっそり自分の必殺技を編み出していた世代にはドストライクのワクワク図鑑であることは間違いない。それが令和の小学生にもウケているとは驚きだ。本書は隅から隅まで昭和のファンタジーが炸裂している。

まずは書籍の装丁、ビックリマンシールのキラのごとく、光に当てると幾何学模様のキラキラが見える。カッケー!


書籍の購入特典は、猛獣・昆虫・恐竜などが描かれたレジャーシートだ。壁に貼ったら、お母さんがブチ切れるヤツだぞ! カッケーーー!!


・注目の対戦カード

本書では、妖怪・幻獣・悪魔の3つの種が参戦している。10項目のルールが設けられており、トーナメントの組み合わせは抽選で決定しているそうだ。また、出場者はその種の一般的な個体の大きさのものが選ばれており、対戦会場はハンディキャップが生まれない場所を選択しているのだとか。対戦者のどちらかが、戦闘不能もしくは逃走した段階で試合終了となる。戦闘力を示すレーダーチャートには、パワー・知能・スピード・防御力のほかに、魔力・抗魔力など8つの項目があり、その数値が高いほど強いということになるようだ。


個人的に私が注目したカードは、第1回線の「八岐大蛇(やまたのおろち)」 VS 「イフリート」だ。8つの頭を持つ大蛇と、火の神が対決したら、どんな結末を迎えるのだろうか? 想像しただけでオッサンの私でもワクワクしてしまう。さらに気になるのは、そのあとの第2回戦のシード選手に「フロストジャイアント」がいる。イフリートが大蛇に勝利した場合、火の神と氷の巨人の対戦になる訳だ。これまた胸躍る好カードじゃないか!

この対戦の結末、そして闇の王者に輝いたのは誰なのか? 書籍を購入して確かめて欲しい。


・想像力を掻き立てるシリーズ作

ちなみにもこのシリーズ、本書でシリーズ第8作目にあたる。動物・絶滅動物・恐竜・妖怪・昆虫・幻獣など、さまざまな種を対象に架空の頂上決戦を繰り広げているのである。書籍不況と言われる時代に、こんなに想像力を掻き立てる書籍はなかなかない。大いにイマジネーションを広げてくれる。子どもだけでなく、中二病をこじらせた経験を持つ大人もワクワクしてしまう素敵な書籍だ。

とにかく、得体のしれない化け物たちが本のなかで大暴れしているぞ!

参照元:学研「最強王図鑑」シリーズ
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24