実際に自分で経験して学べることは限られている。しかし、本を読んだりすれば、人が経験したことを疑似的に体験することが可能だ。

そして今、日本で「19世紀の奴隷少女によって書かれた実話」が、現代の問題に重ね合わせるかのように静かなるベストセラーになっているのだという。その理由を、海外メディアが報じて話題になっているので紹介したいと思う。

・「19世紀の奴隷少女の物語」が日本でベストセラーに

米ニュースサイト『Forbes』が報じたのは、奴隷だったハリエット・アン・ジェイコブズが執筆し、1861年に出版されたノンフィクション『ある奴隷少女に起こった出来事』だ。

2013年に日本で初めて出版されたハードカバーはすでに第8版目となり、今夏にリリースされた文庫本は、1カ月で2万5000部が売れる “静かなるベストセラー” になっているとのこと。

・『ある奴隷少女に起こった出来事』のストーリーは!?

では本作がどんな内容なのか、Amazonの商品欄を参考に簡単に紹介することにしよう。

舞台は1820年代の米ノースカロライナ州。自分が奴隷だと知らずに幸せな幼少時代を送ったハリエットは、優しい女主人の死により人生が一転することに。35歳年上の医師の奴隷となった彼女は主人に性的興味を抱かれ、そんな状況をなんとかするために前代未聞の策略を思いつく……。

というストーリー。なお、この本は女優の杏さんもオススメの一冊のようだ。

・なぜベストセラーになったのか

そんな本作の人気について『Forbes』は、男女格差の大きさを国別に順位付けした「世界経済フォーラム」のランキングで、日本が先進国でありながら144カ国中で114位であったことを指摘。また、2016年にジャパンタイムズが、

「1985年に日本で男女雇用機会均等法が設立されてから30年以上が経つのに、女性は職場で男性と同等の扱いを受けられずに苦労している」

と報じた点に触れながら、「そんな理由があって、日本で本作が売れているのでは」と理由を説明している。つまり、日本での男女格差の大きさが原因だと、『Forbes』は分析しているようだ。

参照元:AmazonForbes(英語)、Twitter @BOOKBAR_813
執筆:Nekolas
Photo:RocketNews24.

【追記】2017年12月22日 18:16
記事の内容に誤りがあったため修正しました。深くお詫び申し上げます。

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