2020年7月31日、JT(日本たばこ産業)は10月から施行されるたばこ税の増税に伴い、224銘柄の値上げを財務省に申請した。これは2019年10月以来ちょうど1年ぶりの値上げであり、2018年から3年連続でタバコは値上がりしていることになる。

相次ぐ値上げラッシュにも耐え抜いてきた愛煙家は「またか」くらいの感覚しかないかもしれないが、さすがに「メビウスが500円オーバー」と聞くと心穏やかではいられないハズ。1箱あたり50円の値上げは愛煙家にとって大きな痛手となりそうだ。

・主に1箱50円の値上げ

JTが値上げを申請したのは、紙巻たばこ136銘柄、葉巻たばこ16銘柄、パイプたばこ3銘柄、刻みたばこ3銘柄、かぎたばこ18銘柄、加熱式たばこ48銘柄の計224 銘柄である。まずは代表的な銘柄の値上げ後の価格をご覧いただこう。


メビウス、ピアニッシモ 490 円 → 540 円
セブンスター、ピース(20 本入) 510 円 → 560 円
ナチュラルアメリカンスピリット 530 円 → 570 円
ウィンストン 450 円 → 500 円
キャメル 400円 → 450円
メビウス(プルーム・テック専用) 490 円 →  540円


詳細な銘柄についてはJTのホームページをご確認いただきたいが、今回の値上げは1箱あたり主に50円の値上げが基本ラインである。つまり、1本あたりの値上げ幅は2.5円。昨年の1箱あたり10円の値上げとは比較にならないインパクトである。

さらに、発売当初は「値上げの対象にならないのでは……?」と希望的観測込みで語られていた加熱式たばこ「プルーム・テック」も、きっちり値上げの対象となった。紙巻であろうと加熱式であろうと、今後もタバコは等しく値上がりしていくハズだ。

・ついに1箱500円の時代に

また、今回の値上げで最大のトピックは「メビウスの1箱500円超え」であろう。旧名「マイルドセブン」時代から、日本を代表する銘柄の1つメビウスも500円の大台を突破した。かつて多くの喫煙者が「1箱500円になったらやめる」と話していたが、ついにその時代が到来する格好だ。


さてさてさて──。


喫煙者にとって、今回の値上げはかなり痛い。そしてある意味で我々喫煙者よりもダメージが大きいかもしれないのが「たばこ屋」たちである。今回は2軒のたばこ屋で、このたびの値上げについて一言ずつ感想を述べてもらった。


「おかしいよ! 本当におかしい!! こんなことしてたら市民が疲弊するよ。ただでさえみんながお金を使わないときなのに、タバコだけ値上げされたらたまったもんじゃないよ。昔はたばこ屋だけで食っていけたけど、私が死んだら店もおしまいだね。本当におかしいよ」(80代女性店主)

「増税は前から決まっていたことなので……。ただ、今こういう状況で値上げするのはどうかと思いますよね。消費税は何度か増税が延期されたので、少し期待していたんですが、タバコは上げやすいんでしょう。今回のことに限らず、値上げはもう諦めています」(50代女性店員)


両者に共通した意見は「何もこのタイミングで値上げしなくても」ということ。新型コロナウィルスが収束の気配を見せず、経済的なダメージがいよいよ深刻化しそうなタイミングでの値上げは、たばこ屋にとってはまさに死活問題であろう。事実、両店のすぐ近くにあったもう1つのたばこ屋は、昨年ひっそりと閉店した

・他社も値上げへ

なお、「ケント」「クール」「ラッキーストライク」などを擁するブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンは、すでに1箱あたり30円~50円の値上げを発表している。おそらく近日中に「マルボロ」「ラーク」「アイコス」の、フィリップモリスジャパンからも同様の発表があるハズだ。

というわけで、愛煙家たちにとって大きな痛手となりそうな今回の値上げ。実際の値上げはたばこ税の増税が施行される、2020年10月1日からとなる見込みだ。

参照元:JT「たばこ税増税等に伴うたばこの小売定価改定の認可申請について」(PDF)ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン「たばこ製品(紙巻・葉巻たばこ)の小売定価改定の申請について」(PDF)
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.