2018年7月末、世間から大きな関心を寄せられたソニーの『NHKが映らないテレビ』こと「液晶モニター法人向けブラビア BZ35F / BZシリーズ」がいよいよ発売となった。同商品はチューナーを搭載していないモニターであり、厳密に言えばテレビとしての規格は満たしてない。

だが、Androidが搭載されているため「TVer(ティーバー)」や「日テレアプリ」などのアプリをインストールすれば「民放放送だけを視聴できる」と言われていた。だがしかし、実際に『NHKが映らないテレビ』を購入してみたところ、思いもよらぬ落とし穴が待っていたのだ──。

・法人で購入

商品名からもわかる通り、「液晶モニター法人向けブラビア BZ35F / BZシリーズ」は法人でしか購入できない。そのため今回はロケットニュース24として同商品を購入し「本当にテレビとして機能するのか?」を検証することにした。

「TVer」は見逃し配信をメインにしているが、その他の民放各局が展開している「日テレアプリ」「TBS FREE」「テレ朝アプリ」「FOD」「テレ東動画」……などを駆使すれば、テレビに近い機能を果たすのでは……? これが上手くハマれば本当に『NHKが映らないテレビ』として使えるかもしれない。

・最安値でも10万円オーバー

そうなれば、まずは「液晶モニター法人向けブラビア BZ35F / BZシリーズ」の購入からだ。ソニーに問い合わせ見積もりを取った結果、一番小さな43インチで10万3032円(消費税・3年保証込み)であった。ぶっちゃけ安くはないが、受信料が発生しないならば3年足らずで回収できる計算だ。

さて、見積もりや発注、振り込み……などの事務作業を経て「BZ35F / BZシリーズ」が会社にやってきたのは、手続きを始めてから2週間ほど経ってから。テレビではなくモニターではあるが、さすがのソニークオリティでディスプレイに映し出される映像は鮮明そのものだ。

・落とし穴

まずはWi-Fiなどを設定し、Googleアカウントで「Google Play」にログインすれば準備万端。あとはTV系のアプリをインストールし「テレビとしての機能を果たすのか?」を検証するだけである。だがしかし……。

ないのだ。アプリをダウンロードする「Google Playストア」でいくら検索しても「TVer」も「日テレアプリ」も「TBS FREE」も「テレ朝アプリ」も「テレ東動画」も一切表示されないのである。スマホやタブレットからならいくらでも見つかるのに、なぜか「BZ35F / BZシリーズ」のGoogle PlayストアではTV系アプリが壊滅状態なのだ。


まさかNHKの圧力なのか……?


……と一瞬 頭によぎったが、調べていくとそういうわけではないらしい。なぜなら「FOD(フジテレビオンデマンド)」だけは視聴が可能だったからだ。

・アプリ側が規格に対応していない

どうやら、アプリには例えば「スマホ向けアプリ」「タブレット向けアプリ」など、様々な規格のアプリがあるらしい。「BZ35F / BZシリーズ」は「Androidテレビ」というジャンルになり、その「Androidテレビ」の規格に「TVer」などのアプリ側が対応していないようだ。

というわけで、2018年8月中旬の時点で『NHKが映らないテレビ』は『フジテレビしか映らないテレビ』となっていることを報告しておく。おそらく今後、アプリ側が対応しないことは考えにくいので、アプリが搭載され次第、テレビとしての使い心地を読者のみなさんにお伝えする予定だ。

参考リンク:ソニー「液晶モニター法人向けブラビア BZ35F / BZシリーズ」
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼ちなみに「FOD」は有料なので、1カ月の無料期間を過ぎると「何も映らないテレビ」になってしまう。

▼「TVer」とか早く「Androidテレビ」の規格に準じてくれ!