『ヒプノシスマイク』をご存知だろうか。「男性声優がガチでラップに挑む」「音楽が原作のキャラクターラッププロジェクト」という今までにない要素を引っ提げ、2017年9月にプロジェクトが始動して以降ずっと成長し続ける人気コンテンツだ。

そんな『ヒプノシスマイク』から2020年3月26日、初の音ゲーアプリが誕生した。プロジェクト始動時にその斬新さから話題になった『ヒプノシスマイク』だが、音ゲー化にあたっても斬新さを組み込んできた。音ゲーは下手だが好きな筆者がプレイしてみたので、その魅力をさっそくご紹介したい。

・譜面を自分で動かす

音ゲーアプリ『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』は『ヒプノシスマイク』の楽曲やキャラクターが登場するが、チュートリアル時にキャラクターや世界観の軽い紹介のようなストーリーモードが展開されるため、『ヒプノシスマイク』を全く知らなくてもプレイに一切問題ないようになっている。

チュートリアル終了後はよくある音ゲーアプリと同様に、登場人物たちのストーリーを読み進めていくことも、ゲーム内ポイントを消費して音ゲーパートをひたすらプレイすることも出来る。この音ゲーパートがなかなかの曲者なのだ。ゲーム画面をお見せすることが出来ないので、拙くて申し訳ないが手描きのイメージ図でご紹介していく。

『ヒプノシスマイク』自体がラップ(ヒップホップ)を扱っており、ゲームの主人公が見習いDJなのに合わせてか、譜面がターンテーブルを模したものになっている。そのため、譜面が半円状になっているのだ。筆者が詳しくないだけかもしれないが、円形の譜面というのは台湾発の音ゲー『Lanota』以外で見かけたことがない気がする。

それに加え、ノーツが4種類あるのだが、一般的な音ゲーアプリでおなじみのタップで処理するタップノーツ、フリックが求められるフリックノーツ、長押しを求められるロングノーツに加え、「スクラッチノーツ」というものがあるのだ。

「スクラッチ」とはDJが回転しているレコードを動かして音を入れる、ターンテーブルの奏法の1つ。「DJ」と聞いて思い浮かべるであろう、手でレコードを動かしてデュクデュクキュイキュイいわせているアレだ。その「スクラッチ」要素を、『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』は音ゲーに取り入れ、譜面であるターンテーブルが動く仕様にしてしまったのだ。

「スクラッチノーツ」は判定枠に合わせて長押ししながら指を動かすだけで処理出来るので、処理だけで考えると長押しが必要な「ロングノーツ」と同じだ。しかし「スクラッチノーツ」がロングノーツと決定的に違うのは「スクラッチノーツに合わせて譜面が動く」こと。

音ゲーにおいて譜面に動かれること自体がめちゃくちゃ辛いが、『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』はそれを慣れない円形譜面で取り入れてきた上、「特定のノーツに連動して譜面が動く」という珍しい要素まで盛り込んできたのだ。タチが悪すぎる、慣れるまでやり込んでしまうじゃないか……!

「スクラッチノーツ」に連動して譜面が動くため、「スクラッチノーツ」自体は譜面の動きに影響されない。しかし、その他のノーツは全て譜面の動きに左右されてしまうため、同じ譜面上にもかかわらず視覚的には動きの「ズレ」が生じるのだ。

「スクラッチノーツ」自体は通常時のロングノーツと同じように位置に合わせて長押しして処理するのだが、それが逆にややこしい。「スクラッチノーツ」と同じタイミングでロングノーツが出てきたときなんかは、頭がバグを起こしたようにどう処理すれば良いか分からなくなる。画面全体が動いてくれた方が、特定のノーツに気を取られないためやりやすいぐらいだ。

この「特定のノーツに連動して動く」という一要素が加わっただけで、音ゲーとしての難易度がグッと上げられている。一般的な音ゲーかと思いきや、思わぬやり込み要素を見つけてしまった。

・楽曲やストーリー本編はサブスクでも

ちなみに、『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』に登場する楽曲も含めた『ヒプノシスマイク』の楽曲は、CDやダウンロード以外にamazon musicやSpotyfyなどのサブスクリプションサービスでも楽しむことが出来る。

楽曲だけでなくドラマパートも含めてほぼ全てが配信されているため、『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』をプレイしていて楽曲やキャラクターが気になってきたらぜひ、気軽に『ヒプノシスマイク』の世界を覗いてみることをオススメする。

参照元:『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』公式サイト
Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼『ヒプノシスマイク』の世界やキャラクターが分かりやすい公式動画はこちら。精神を攻撃するマイクでラップバトルして領土を奪い合います。

▼音楽原作ラッププロジェクトなのに、なぜかファンが歩数バトルをしていたこともある『ヒプノシスマイク』

▼現在はイケブクロ・ヨコハマ・シブヤ・シンジュクの他にオオサカ・ナゴヤも登場し、全6チームになりました。筆者は全ディビジョン好きです。