ブラジル、ケニア、エチオピア……と、世界70カ国以上で栽培されているコーヒーの木。いずれの地域もいわゆる “熱帯地方” が原産国だが、実は日本……どころか首都・東京でコーヒー豆が栽培されていることをご存じだろうか?

その名は「小笠原コーヒー」──。お察しの通り、東京は小笠原諸島で栽培されている大変貴重なコーヒー豆のことである。国産……いや、東京産コーヒーのお味とは一体どんなものなのだろう? これは飲んでみたい……。

・小笠原コーヒーとは

小笠原コーヒーの歴史は古い。小笠原が日本の領有地として確定した明治11年(1878年)、さまざまな熱帯性植物が試験的に導入された際、コーヒーもそのうちの1つとして栽培され始めたという。

ただ、第二次世界大戦で全島民が強制疎開を強いられた小笠原は長く放置され、島民が帰島した頃には畑もジャングルと化していたらしい。しかしその環境下でもコーヒーの木は野生の力で生き続け、現在も「小笠原コーヒー」として生き続けている。

また、小笠原コーヒーは台風の影響で実の半分がダメになり、翌年実をつけるハズの枝まで折られてしまうという。国内でコーヒー豆が育つ数少ない地域ではあるものの、同時に過酷な環境を耐え抜いて収穫されるのが「小笠原コーヒー」なのだ。

・都内で飲める

そんな希少なコーヒー豆を使用した珠玉の一杯は、東京は新丸の内ビルディング地下1階「カフェアパショナート」で味わうことができる。メニューはブレンドを含め3種類があり「100%ピュアコーヒー」は1杯930円だ。

小笠原コーヒーは注文してから1杯ずつ丁寧に入れてくれるので、通常のコーヒーよりも時間がかかる。この日も10分弱は待った。そしてやって来た小笠原コーヒーを飲んでみると……。

うむ、ちゃんとコーヒーだ。コク深いというよりはスッキリした後口のコーヒーで、香り高く「世界規準のコーヒー」だと思って間違いない。外国産コーヒーとの明らかな違いは無いものの、東京産のコーヒーが世界規準、その事実が素晴らしいではないか。


コーヒー1杯の値段としてはお高く感じるかもしれないが、希少な希少な小笠原コーヒーであると思えば決して法外な価格ではないだろう。150年近い歴史を持つ小笠原コーヒー、機会があれば1度試してみてもいいかもしれないぞ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 カフェアパショナート
住所 東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング 地下1階
時間 平日07:00~22:00 / 土曜日09:00~22:00 / 日祝09:00~21:00
休日 新丸の内ビルの休館日に準ずる

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼せっかくならばピュアコーヒーがおすすめだ。

▼食事もできるぞ。

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