冬将軍に何度も襲われた今年2018年の日本列島。首都圏でも雪が積もって交通機関が混乱したが、記録的な大雪を記録した福井県をはじめとする日本海側や東北地方、北海道にお住いの方は特に大変だったに違いない。中には「大雪で家が歪んでないか?」と心配している人もいるだろう。

だが、そんな心理につけこんだ『悪質商法』もあるようだから、気をつけていただきたい。消費者庁のホームページでは、「大雪による被害に関連する消費者トラブルにご注意ください!」と、注意喚起が行われている。中にはかなりエグい事案も!

・大雪による消費者トラブル

消費者庁のホームページによれば、トラブルの概要はこうらしい。

「大雪による被害に関連し、住宅などの修理に際し、契約を急がせる、不安をあおるなどして契約当事者に正しい判断をさせない事案や、火災保険で修理ができると言って不要な工事を勧めたりする消費者トラブルが起こる場合があります。

他にも、大雪による被害をきっかけ・口実にした勧誘や、除雪・排雪サービス等の利用において、消費者トラブルが起こる場合があります」

——ざっくりと簡単に言うと、「大雪で家歪んでまっせ! 早く修理しないと大変なことになりまっせ!」と言って契約を急がせたり、「火災保険で出るから大丈夫ですがな。修理しましょうか」と言って、不要な工事をやらせたり……と言ったところだろうか。

・点検商法の事案

なお、こういったやり口を『点検商法』と言うらしく、住宅の屋根や床下を「無料で点検します」と突然自宅に訪問してきた業者から「このままでは大変なことになる」などと不安をあおられ、不要な住宅リフォーム工事や建物清掃サービス等をさせられたという相談が、全国の消費生活センター等に寄せられているのだとか。事例の一部を紹介すると……

「屋根を点検した後、工事をせかされ、見積もりの前に契約書にサインさせられた」

「認知症の親が考える時間を与えられずに下水道の清掃を契約させられた」

「床下を点検させたら、基礎補強、防カビ・防虫、トイレ工事など次々に勧誘された」

「火災保険で雨どいの修理ができると言われ、業者の指示通りに保険会社へ申請したが、「雨どいに支障はない」と言われた」

……などなど。他の相談事例等は国民生活センターのサイト内にある『点検商法』のページを見ていただくとして、これらのトラブルに巻き込まれるのは高齢者が多く認知症の人も狙われている点は特徴の1つと言えるだろう。

・雪だけじゃない! 様々な自然災害トラブル

ちなみに、国民生活センターが公開しているPDFデータ「自然災害にみる消費者トラブル」でも相談事例が多数掲載されており、中には……

「業者に「台風で自宅の屋根の一部がはがれた」と話したら、「点検は無料」 だと言うので自宅を見せた。業者が屋根裏に上がり、そこで撮影した画像を見せ「早く工事をした方がいい。金額は300万円だ」と言う。「そんなに用意できない」と言うと「このまま放置すると雨漏りする」 と不安をあおられ、「応急処置なら 100万円でいい」などと契約を急がされた」

──といったように、点検商法と思しきトラブルも報告されている。

・トラブルに巻き込まれたら

では、もしそういったトラブルに巻き込まれたり、不安や疑問を感じたときにはどうすればいいのだろうか? 消費者庁によれば,「消費者ホットライン(局番なしの188番)」を活用し、お近くの消費生活センター等へご相談ください」とのこと。トラブルを防ぐに越したことはないが、もし心当たりがあったり、身近な人が巻き込まれていると思ったら迷わず連絡しよう。

参照元:消費者庁「大雪被害に関連する消費者トラブル」、国民生活センター 「点検商法」「自然災害にみる消費者トラブル」 (PDF)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.