そういや最近、丸ぼうろ見とらんね? 九州を出て10年あまり、今ごろようやく気が付いたのだが、丸ぼうろの姿をあまり目にしない。

九州の物産展などでは、並んでいるような気がする。だがしかし、気軽に買える範囲にいないように思う。もしかして、九州圏外の方は丸ぼうろの存在を、あまり知らないのではないだろうか。

・九州では馴染み深い丸ぼうろ

丸ぼうろは、佐賀県をはじめ九州圏で割と日常的に食べる(と記者は思っている)お菓子だ。カルメ焼きに小麦を混ぜたような味と食感を、イメージしてもらいたい。

その起源は種々様々あるので、気になる人は調べてみると良いだろう。多くの方の想像に違わず、外来のものであるようでポルトガルの菓子に発しているなどと言われる。ハイカラですね。

九州は福岡県で生まれ育った記者にとって、この丸ぼうろは馴染み深い存在だ。スーパーで手に入ったし、実家の居間のお菓子コーナーに置いてあったりもした。記者にとっては、所謂(いわゆる)故郷の味のひとつだ。

・舌触りが特徴的

形については、その名の通りまん丸。色は茶色だ。厚みはどら焼きの半分くらいで、割とぺたんこ。口に入れると、ほんのりと優しい甘みが口いっぱいに広がる。うむ、ウマい!! 

そして、特徴的なのはその舌触りだ。どう特徴的かというと、シケっとしているのだ。口の中の水分を持って行かれそうな、あの感じがタマラナイ。噛めば噛むほど歯ごたえも出てきたりで、とにかく美味しいのだ。

わっと驚く味ではないがなければ口さみしくなってしまう、そんな存在である。いかに丸ぼうろが九州の人に馴染みのある食べ物なのか、同じ福岡県出身の原田記者(東京在住)に思い出を聞いてみた。

原田「丸ぼうろ懐かしい!! 小さい頃、いつも爺ちゃんが買っていて居間に置いてあったのを覚えています。年配の人が特に好きなイメージで……ぶっちゃけ子どもからするとあってもなくてもよかったですけど、あるとつい食べちゃう魅力がありましたね(笑)

当時は牛乳と一緒に食べてましたが、大人になった今ならコーヒーと合いそうな気がします。素朴な感じ、あのシケっとしているのがイイですよね。似たような商品でボーロがありますけど、やっぱり丸ぼうろのイメージが強いです」


「知っとーよ」という人も「知らんよ」という人にも、改めてこの丸ぼうろをオススメしたい。店によってちょっとずつ風味が違ったりもして、味わい深いぞ~! 

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.