「ヤザワ」といえば、どう考えても「ミート矢澤」である。肉好きの心をとらえて離さない、ハンバーグ・ステーキの名店だ。

さて、そんなヤザワに驚きのメニューが存在する。東京駅に隣接する大丸東京店のヤザワには、高級弁当がいくつも販売されている。その金額、わかるだろうか。3000円? ノー。5000円? ノー。7000円? ノーノー。答えは1万円だ! まさにロッケンロー!! 永ちゃんもヨロシクっていうレベルッ!!

・弁当の値段とは思えない……

噂には聞いていた。このお店にスゴイ弁当があるということを。

実際にお店のメニューを見てみると、私(佐藤)の知る弁当とはケタが1つ違う。「極肉重弁当」は……


5929円。ゴクニクの語呂合わせか?


高けえ! 気安く買える弁当ではない……。かなり覚悟を要する金額。しかしこれはまだ序の口。「サーロインステーキ弁当」「フィレステーキ弁当」は共に……


6280円! ゴクニクよりもさらに上だ!!

ステーキとはいえ、これは……。夜でもなかなか食えない。しかしまだあった! 特撰黒毛和牛高級弁当「贅沢弁当」は……


7980円!! ゴクニクが安く思えてくる。

く~ッ!! 矢澤ステーキ・サーロインステーキ・黒毛和牛ハンバーグの3種が入ってこの値段。きっとこれが、ここの値段の頂点ではないのか。いくら贅沢をしたいからといって、易々と買える代物ではない。そこいらで牛丼でも買って帰ろう。そう思ったはずなのに……。

さらに上が! ダメだ、見てたら妙な気持ちになる。今すぐ電車に乗るんだ、この場から急いで離れろッ!!


……買っちまった。もっとも高い「極味(きわみ)弁当」。お値段9980円……。


何をやってるんだ、私は……。暑さのせいで、判断力が鈍ったのか? それとも昨晩寝不足だったせいで、思わず買ってしまったのか? とにかくこの手に1万円の弁当がある。それだけが事実だ……。


・肉ヘブン

持ち帰って袋から出してみると、弁当と呼ぶにはゴージャスすぎる。

黒地に金色のロゴが入った重箱の中身は……


まさに肉ヘブン。いまだかつて、これほどまでに絶景な弁当があっただろうか? 重箱に閉じ込めておいていい品々ではない。


・弁当に詰め込んでいい代物ではない

ご飯の上に豪快に、かつ無造作に乗せられたシャトーブリアンステーキ……。


同じく、結構軽いノリでこの配置が決まったんじゃないかと思うほど、何気なくご飯に乗ったサーロインステーキ。


ヤザワの看板メニューでありながら、重箱の一角に追いやられたように詰め込まれている黒毛和牛ハンバーグ。


たとえるなら、世界三大ギターリストのエリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックを諸事情により中野サンプラザでライブさせるようなものだ。弁当にして詰め込んでいい食材たちではないはず。しかし今、こうしてここに集っているのはたしかだ。ある意味罪深い、そして挑戦的な弁当と言わざるを得ないだろう。


実際に食べると、旨味のインフレ状態。「天井知らずとはこのことをいうのか~」と妙なことに納得する事態となった。

ちなみにこの日の肉はサーロイン・シャトーブリアン共に、群馬県産のA5ランク。ステーキもハンバーグも焼き立てを詰めてくれるのだが、弁当であるがゆえに食べる頃には多少時間が経ってしまっているのが本当に残念だ。


・ハンバーグから肉汁!?

そしてハンバーグにはさらに驚いた。

箸で半割にしてみると、肉汁があふれ出してくる!

焼き立てのハンバーグでのみ、肉汁がジワリとあふれてくるものとばかり思っていた。だが、多少時間が経っているにもかかわらず、このハンバーグも透明な肉汁が滴っている。絶妙な焼き加減で、旨味を逃すことなく閉じ込められているからこそ、できることなのではないだろうか。むろんウマい!!


弾みで買った1万円弁当だったが、その価格に見合う味と価値を楽しむことができた。だが、できれば出来たてをその場で食べたいというのが本音のところ。持ち帰ることさえも惜しい逸品である。ヤザワ、やっぱり最高!

・今回訪問した店舗の情報

店名 ミート矢澤 & ブラッカウズ 大丸 東京 テイクアウトステーション
住所 東京都千代田区丸の内1-9-1-B1
営業時間 平日10:00~21:00 / 休日10:00~20:00
定休日 なし

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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