全国展開しているラーメンチェーン、らあめん花月嵐では「店舗ランキング」なるものが存在することを皆さんはご存じだろうか。調理や接客などの質に応じて各店舗をランク付けするというものだ。

となると気になるのは、上位ランクに格付けされている店の実力。本当に他を圧倒するような、明確な違いがあるのだろうか? 利用者目線で探ってみた!

・何が違うのか?

北は北海道から南は沖縄まで、一部地域を除き全国規模で店舗を展開している花月嵐。一度は食べたことがあるという人も多いのではないだろうか。

その花月嵐では独自の「店舗評価基準表」を用いて、各店舗を計8段階のランクに格付けしている。マニュアル遵守が徹底されているか、客への気配りが行き届いているか、そういった点に評価の重きが置かれているようだ。

最上級ランクの【特】、その次に位置する【上】に格付けされている店舗のみホームページで店舗名が公表されている。

こういったランキング的なものを見せられると、上位ランクの店で食事をしたいと思うのが人間の性(さが)。しかし一方で「何が違うの? チェーン店なんだから味もサービスも一緒じゃないの?」とも勘ぐってしまう。そのへんどうなのか、実際に検証してみることにしよう。


・検証スタート

まず筆者は都内某所にある花月嵐へとやってきた。こちらの店舗はホームページでランクが公表されておらず、すなわち【並】以下のランクということになる。

食べ終わった皿が放置されている点が気にはなったが、それは注意して見ているから気付いただけで、普段ならさほど気に留めないかもしれない。

そしてラーメンは普通に美味しい。今回注文したのは嵐げんこつらあめん(720円)で、濃厚な豚骨スープに醤油の塩気がよく立っている。仕事終わりに食べると最高なやつだ。

特別に愛想の良い店舗という印象は受けなかったが、ひととおりの挨拶はしてくれるし文句を言いたくなるような不満はない。ラーメン屋の接客としてはこれで十分な気もする。そう思っていたとき、予期せぬ事案が発生した……!


・ガーリックインシデント

花月嵐では無料で生ニンニクをもらうことができる。メニューの記載によると、一人前は3粒。希望すれば最大6粒までもらえるとのことだ。

筆者は3粒もあれば十分だと思ったので、普通に「ニンニクください」とオーダー。しかし運ばれてきたニンニクは……!


なんと……!



7粒! いや大判振る舞いかよ!!


これは太っ腹と評価するべきなのか? それともメニューの記載と違うことをやっているわけだから、やはりオペレーションが雑と見なすべきなのか? 

正解は分からないが、筆者は7粒もニンニクを食べるのは嫌だったので、申し訳ないが余分に提供された4粒は残すことにした。つまり4粒のニンニクが誰の胃袋にも収まることなく儚く散ったことになる。

食品ロスの軽減というグローバルな視点で考えれば、やはり意味もなくメニュー表記より多い数量を提供するというのは、良くないことでは?


・ランク上位店の実力は

特に大きな不満はないと思いきや、ニンニクで詰めの甘さを露呈した通常店。その翌日、今度は待望のランク上位店へとやってきた。

訪問したのは分倍河原店で、筆者が取材に訪れた時点(2019年11月13日)では【上】に格付けされていた。ランキングでいうと【特】に続く2番目に高いランクだ。

入店すると店員さんから「いらっしゃいませ」の声が飛び、ラーメンが到着すると「注文の品は全てお揃いでしょうか?」と丁寧に確認してくれる。そして豚骨醤油のラーメンは普通に美味しい。

全く問題はないのだが……前日に訪問した店舗と明確に違う点があるかと問われると、答えに窮する。筆者の舌で確認したかぎり、ラーメンの味も前日食べたものと同じである。

ではランク上位店の真髄はどこにあるのか。厨房を小まめに清掃したり、見えないところで努力しているのかもしれない。しかし残念ながら、それは筆者には伝わらない。

はっきりと分かる通常店との違い、それを見せつけてくれ……! そのためには、もうあれしかない……!


そう、ニンニクだ!


ラストチャンスにかけるべく、ニンニクをオーダー。ちゃんと正確に3粒もってくるのか? ひとり緊迫しながら待つ筆者の前に姿を現したニンニクは……!


ニンニクは……!



3粒! うん、それ正解!!


ということで今回は花月嵐のランク上位店に潜入してみたわけだが、「正確にニンニクを3粒もってきた」という点を除けば、他店と比べて特別に褒めるべきところはなかったというのが正直なところだ。

逆にランク上位でないからといって不快に感じることもなかったので、とりあえず花月嵐が食べたくなったら近所にある店舗に行くのが正解だと思うぞ!

参照元:らあめん花月嵐「店舗評価基準表」、「店舗ランキング」※随時変動
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.