食において絶大な信頼を寄せられる『ミシュランガイド』。もし同誌で紹介されようものならお客さんが殺到し、行列必至の人気店となる。それもそのはず、ミシュランに載った店は間違いないところが多い上に、本当においしいからだ。

これまで東京をはじめとする大都市を中心に取り上げていたミシュランだが、2016年には特別版として『富山・石川(金沢)』を発行。そして富山県氷見市では『貪瞋痴(とんじんち)』というお店が掲載された。

・1店舗だけ行列

『忍者ハットリくん』や『笑ゥせぇるすまん』などの作者・藤子不二雄A先生の出身地としても知られる氷見市。街全体としては比較的穏やかな時間が流れているのだが、どうしたことか『貪瞋痴』だけは違った。

そう、氷見産煮干しラーメン(800円)を求める人が行列を作っていたのである。お昼時ということもあったが、次から次へお客さんがやってきては行列に参加。平和な街でひとつだけ異世界となっていた店頭は、期待するなという方が無理だろう。

・ウマすぎる煮干しラーメン

もちろん、私(筆者)も行列に加わり入店。もともとワインバーということもあって、店内はおしゃれな雰囲気だった。注文してドキドキしながら待つことしばし。まずは黄金色に輝くスープから飲んでみると……ドーン!

脳天に稲妻が走った。煮干しラーメンといえば、臭さが気になるところだが、同店のラーメンはほとんどと言っていいほどない。それでいて、アッサリしていて麺との絡みも絶妙ときたらウマい……いや、ウマすぎる

・具は別皿

そして、そのスープをしっかりと味わって欲しいということだろうか。同店の煮干しラーメンは、具が別皿で出てくるのが大きな特徴で、ひとつひとつを噛みしめることができるところも嬉しい。チャーシュー、味玉、メンマ、ネギ、岩海苔を少しずつ味わうことで、より上品な一品を堪能できる訳だ。

しかも、それぞれがアクセントを持っていて感動さえ覚えるからもはやギルティ。氷見市に住んでいたら毎日でも通いたくなる味だけに、おそらくミシュランの審査員も食べながら悶絶……仕事を忘れて食を堪能したのではないだろうか。

・猛烈オススメ

ちなみに同店の煮干しラーメンは星のつかない「ビブグルマン」の評価とのことだが、そんなことはどうでもいい。星がどうだろうとウマいものはウマいし、こればかりは誰もが評価するはず。かつてない味わいを教えてくれる煮干しラーメンということに変わりはない。

この春、28年ぶりにアニメが放送されている『笑ゥせぇるすまん』の聖地巡礼で氷見市に行くもよし。煮干しラーメンを味わうためだけに行っても満足できるので、ぜひともオススメしたいお店だ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 貪瞋痴
住所 富山県氷見市朝日本町1−30
時間 11:30~14:00 / 19:00~24:00(夜は営業していない場合あり)
休日 月曜

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.
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▼街のところどころに藤子不二雄A先生のキャラたちがいるぞ

▼穏やかな街にお店はある

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