こと日本においては誰もが認めるであろう高級魚なマグロ。そんなマグロ同士でも、無銘なマグロと超高級ブランドに属するマグロが存在する。「大間のまぐろ」は、後者の代表格だろう。

2019年に「すしざんまい」の社長が、この「大間のまぐろ」1匹を3億3360万円という史上最高額で競り落としたのを覚えている方もいるのでは。筆者もそれがきっかけでこのブランドマグロを知り、ずっと思っていたのだ。一回食ってみたいなぁと。……え、食えるの? くら寿司で? 食うっきゃねぇぇえええ!

・大間のまぐろ

いちおう「大間のまぐろ」についてもう少し詳しく触れておこう。「大間のまぐろ」とは、青森県の大間町で水揚げされたクロマグロだけが名乗ることのできるブランドだそうだ。地域団体商標に登録されており、条件を満たさないマグロは「大間のまぐろ」を名乗ることはできないもよう。

漁のスタイルも、効率的ではある反面マグロが痛むリスクの高い巻き網漁ではなく、伝統的な一本釣りか、延縄(はえなわ)漁。ちなみにクロマグロは地球規模で回遊する性質を持つ魚なため、例えばカリフォルニア沖で見られる個体と津軽海峡で見られる個体は、どちらも同じ太平洋クロマグロだ。

しかし大間町観光協会のHPによると、「大間のまぐろ」が旬となる8月から1月くらいに津軽海峡で採れるクロマグロには、上質な脂が乗っているのだそうだ。

きっとそのシーズンの津軽海峡の環境が、食のプロたちが1匹に数億出して競り落とすに値するほどに、マグロの身を良い感じにするのだろう。ぶっちゃけ詳しいことはよくわからないが、とにかく超エリートマグロに違いない。


・1貫200円

そんなエリートマグロが、1貫たったの200円。そう、くら寿司が2021年1月15日から開催している、『旬の極みシリーズ 大間のまぐろVS寒ぶりフェア』ならね。


・赤かった

人生初の「大間のまぐろ」との対面で真っ先に抱いたのは「めっちゃ赤いな」という感想。よく見るマグロよりも赤い気がする。気のせいだろうか。見比べるため、2貫100円の「極み熟成まぐろ」も注文。


同じ皿に乗せて並べてみると……


赤ぇ!


やはり「大間のまぐろ」はやたらと赤い気がする。試しに「大間のまぐろ」を5皿と、ノーマルな「極み熟成まぐろ」も2皿追加。サンプル数を少し増やして並べてみても……


やっぱり赤ぇ!


・歯ごたえ

なぜこうもやたらと赤いのか(ヘモグロビンおよびミオグロビン由来の赤であることは承知の上だが)、その理由はよくわからない。しかし、見た瞬間に気になるほどにとにかく赤い

色はこのくらいにしておいて、いよいよ食べてみよう。


歯ごたえすげぇ! 赤身特有の血の味が濃い!


血の味というとなんだか微妙な印象がある書き方かもしれないが、赤身とはそういうものだろう。「赤身特有の心地よい酸味」という表記をしてもいいが、しかしその本質は血の味。

血生臭いのではなく、美味い新鮮な血の味がする。そんな赤身特有の、つまりはマグロの赤身の良さそのものであるフレーバーが濃い。色の通りというかなんというか。

もちろん、痛んでいる場合に出る臭みのようなものは皆無。フレッシュで濃厚な赤身の味だ。好きな人にとってはたまらないと思うが、苦手な人はとことんNGかもしれない。

そして歯ごたえというか、歯切れというか、それが独特だ。ハリがとてもあり、噛むとサクッと切れていく。良いかどうかは好みの問題だと思うが、トロのような脂身があまり好きではない筆者的には好印象。

赤身主義者にとってはたまらないと思われる。寿司もいいけど、この切り身を沢山乗せた鉄火丼なんかも食べたいなぁ。というか、テイクアウト用に刺身で売って欲しいレベル。これは無限に食べられてしまう

ということでくら寿司にて、念願の「大間のまぐろ」を食べてみたわけだが、いかがだっただろう。それがブランドの特徴なのかどうかはわからないが、とにかく赤身特有の要素(色といい、味といい)がブーストされたかのような、主張の強い赤身だった

トロ派や白身好きの方にとってはどうかわからないが、赤身が大好きな人ならきっと大歓喜だろう。なお、同時にピックアップされている寒ブリの方も、脂のノリが凄まじかった。気になる方は是非。

参照元:くら寿司大間観光協会
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼デカい寒ブリも200円で食べられるぞ。ブリを食っているのか、ブリ味の脂を食っているのかわからなくなるほど脂たっぷりだ。赤身が苦手な人はむしろこっちかもしれない。

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