2021年冬アニメの1話が放送され2話3話へと突入しています。春夏秋冬とアニメが開始される時期には、ほぼ全作品の1話をチェックしている私(中澤)。気づいたら10年くらいこの作業をやっているので、1話目だけなら余裕で1000本以上見ていることになります。もはや、1話目のプロと言えるのではないでしょうか。

というわけで、そんな私が注目している2021年冬アニメ新作をご紹介します。ビビッと来る1話目だったのがこの5つ! 良かった順に行きましょう。

・『ワンダーエッグ・プライオリティ』

断トツで「ビビッ!」ときまくってたのが『ワンダーエッグ・プライオリティ』。不思議の国のアリスの怖さを濃縮したような1話目は、キすぎていて痺れました。童話と鋭さの間を浮遊するような雰囲気が好きな人には刺さるのではないでしょうか。

個人的には『廻るピングドラム』の幾原邦彦さんみたいな空気感だと思ったんですが、原案・脚本はなんと野島伸司さんでした。『ひとつ屋根の下』から『高校教師』まで、90年代のドラマが好きな人にはお馴染みの名前かと思いますが、そう言われたら本作もイジメがテーマ。

しかし、アニメでしか不可能な表現がふんだんに盛り込まれていて、ハイブリットな仕上がりを感じました。ストーリー同様、未知の世界の扉を開いていると思います。


・『SK∞ エスケーエイト』

スケボーアニメ? 見どころは主人公レキとカナダからの転校生・ランガのスラムダンク的バディ感? と本編を見る前は思ってたんですが、見てみたらやっぱりボンズ製作だけあり、そこはかとなく近未来SF感があります。沖縄なのに。

アクションシーンもスピード感があって良いんですが、特に良かったのはランガが初めてスケボーに乗るシーン。なんでもできる系かと思いきや天然っぽい愛されキャラというギャップと、スケボーにハマッていくだろう片鱗が見えて未来へのポテンシャルが垣間見えます。


・『IDOLY PRIDE』

今期に限らずアイドルアニメが多い最近ですが、「おっ!」と思わされる1話だったのが『IDOLY PRIDE』。最初のシーンが大舞台に出る寸前の舞台裏で、回想に入り出会いからスタートというアイドルアニメとしてベタベタのパターンで始まりますが……

驚いたのはそこからスカウト、高校卒業までが10分ほどで終わること。嘘だろ!? なんだこの恐るべきダイジェストっぷりは! この時点で半笑いで見てたんですが、1話を見終わった後思いました。途中でやめないで良かったと。可愛さ推しではなくストーリー重視な感じが見やすいかと思います。


・『裏世界ピクニック』

某大型掲示板の「洒落怖」を読んでた人には胸アツなアニメです。参考までに言うと、1話の敵は「くねくね」で2話は「八尺様」。ラスボス辺りで「姦姦蛇螺(かんかんだら)」とか「コトリバコ」が出てきそう。

ただし、ホラーと言うかアドベンチャー寄りの異世界冒険ものであり、寺生まれのTさんが美少女2人になったようなストーリーなので、洒落怖を読んで夜眠れなくなった経験のある人は特にオススメです。トラウマブレイクしてくれるかも。


・『バック・アロウ』

これまで1話目で「ビビッ!」と来た作品ということでご紹介してきましたが、『バック・アロウ』に関しては特にまだピンと来てません。ただ、本作の監督は『コードギアス』の谷口悟朗さんなんですよね。

で、谷口悟朗監督と言えば、最近の『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』や『ID-0』も1話目はピンと来なかったんですけど全話見たら面白かったんですよ。1話目はズッコケるようなマヌケ感を出してくるんですが、クライマックスの熱度はちゃんと高い的な。なので、今回も期待してます。


──以上。入れるかどうか迷った作品としては『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』『怪物事変』『俺だけ入れる隠しダンジョン』『ホリミヤ』。この4つも1話のクオリティーは高く惹きこまれたんですが意外性はなかったので、個人的には次点になりました。

もちろん、1話がいまいちピンと来なくても後からグイグイ来る作品もありたくさんあります。そういった作品が出てくると盛り上がるのでむしろ覆して欲しいところ。というわけで、まだ冬アニメは始まったばかりです。見始めるなら今。延期になったシン・エヴァンゲリオン劇場版の分も今期アニメを楽しもう!

執筆:中澤星児
(C)WEP PROJECT
(C)ボンズ・内海紘子/Project SK∞
© 2019 Project IDOLY PRIDE/星見プロダクション
©宮澤伊織・早川書房/ DS研
(C)谷口悟朗・中島かずき・ANIPLEX/バック・アロウ製作委員会

▼「ワンダーエッグ・プライオリティ」放送直後PV

▼「SK∞ エスケーエイト」第3弾PV

▼「IDOLYPRIDE -アイドリープライド-」トレーラー

▼「裏世界ピクニック」PV第2弾

▼『バック・アロウ』PV第2弾