当たり前のことだが、かき氷は熱に弱い。アツいと溶ける。当たり前すぎて言うまでもないことだ。しかしその自然の摂理に、真っ向から立ち向かうかき氷メニューを発見した! 埼玉県朝霞(あさか)市のビストロ BocO(ボコ)では、「焼き氷」というかき氷メニューを提供している。

メニューの写真を見ると……。氷が燃えてる! 氷が炎上しているぞ~!! これ溶けるんじゃないのか? 食えるのか!?

・メニューに見慣れないものが

お店は東武東上線の朝霞駅から徒歩3分。駅にほど近い場所にある、オシャレなビストロだ。たまたま店の前を通りかかった時に、かき氷メニューが目に飛び込んできた。

いちごミルク、キャラメルバナナ、イチゴティラミスなどと並んで、見慣れないモノがひとつある。焼き氷だと?

え!? 焼き氷だとーーッ! この写真に写っている青白いのは、もしかして炎じゃないのか!! 燃やしてどうすんだよ。氷が溶けちゃうんじゃないのか?

・本当に火がつく

真相を確かめるために入店。店内は、手作りの温もりオシャレな空間。昼はランチメニューをかき氷がメイン(冬はサラダバー)、夜はビストロとして営業しているようだ。

注文するのは、当然焼き氷(1200円)だ。メニューを見ると、「本当に火がつきます」とある。マジか、溶けちまわないか心配だけど、とりあえず注文しよう。

・外はメレンゲ

そうして出てきたのは、私(佐藤)の知っているかき氷とちょっと違う。外側は焼き目を入れたメレンゲかな?

すでに焼き目が入っているところを見ると、もしかして、提供前に焼いて来ちゃったのだろうか? これはこれで十分にウマそうなんだけど……。

じっくり観察していると、スタッフが「これから香りづけをしますね」という。お! これはこれから焼きを入れるってことか?

・青白い炎が立つ!

待っていると、スタッフが小鍋を持ってきた。「では、行きます」という声と共に、小鍋の中のものをメレンゲの上から投下! すると……。

ファイヤーーーーーーーーーーーッ!!

燃えてる燃えてるよ! かき氷が燃えているよ!! 大丈夫なの、コレ?

完全に青白い炎に包まれてしまったけど、溶けちゃったりしないのかな……。何だかあま~い香りがするな。

・フランベで香り付け

実はコレ、「フランベ」という調理方法。ラム酒を熱して火をつけて、メレンゲにラム酒の香りをまとわせている。燃えているのは、ラム酒とメレンゲの表面だけで、火は一瞬で消えてしまうのだ。メレンゲの下には氷が隠れているのだが、無事なのか?

中の様子を確認するために、まずはメレンゲを一口食べると……。美味~! これはこれだけでも十分にウマい。ふんわりとした食感にラムの甘い香りが加わって、無限に食える気がしてくる。そして中をのぞくと。

綿雪が積もったような、繊細な氷の層が見えた! 無事だったか、お前たち~!! 火あぶりにされてたから心配したぞ~!

・五感を刺激する

中を掘り進めて行くと、イチゴシロップが隠されていた。これはなかなかニクイ演出。メレンゲと氷、そしてシロップをひとつにして口に放り込むと、ふんわりメレンゲとサラサラ氷、甘いラムの香りと、鮮やかなイチゴシロップ。これらが混然一体となって、五感を刺激するウマさとなった。

別添えのミルクとキャラメルソースを加えると、美味しさの奥行きは果てしなく広がったことは言うまでもない。これは完全に総合エンターテイメントかき氷である! ちなみに、NHKの朝の連続ドラマ『ごちそうさん』でも、焼き氷が登場したのだとか。まったく同じレシピではないが、焼き氷を食べてみたいという人はぜひ一度お試しあれ。

なお、かき氷の提供は17時まで。氷が切れた場合は、早めにかき氷が終了してしまうので要注意だ。

・今回訪問した店舗の情報

店名 あさかのビストロ BocO(ボコ)
住所 埼玉県朝霞市本町2-4-7 清水ビル2 1F
営業時間 11:30~24:00(かき氷は17:00まで。氷がなくなり次第終了)
定休日 なし

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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