落としたくないものベスト3といえば、おそらく「サイフ」「カギ」、そして「スマホ(携帯)」であろう。家を出る時や、どこかから立ち去る時など、絶対に私はその3点セットを確認する。なんなら指差し確認するくらいのレベルで。

サイフやカギを落としたら困るのは当然として、特に恐ろしいのはスマホである。なにせ個人情報が宇宙のごとく入っている。ということで今回は、もしもスマホを落としたとして、そこそこスキルのある悪いヤツに拾われたら、どのくらいの個人情報がわかってしまうのかを実験してみることにした。

まず、落とし主役は、ロケットニュース24の営業部隊である「ジュン君」の友達「スズキ」さん。スマホは実際に彼が使用しているガチのモノだ。


そして、悪いヤツ役は……


私(GO羽鳥)である。いちおうこれでも「迷惑メール評論家」を名乗っており、わずかな情報で個人特定をするのは得意技。どのくらいのレベルなのかは、数年前に激戦を交わした「ハゲアタック」を参照してほしい。

ちなみにスズキさんと私は初対面。「ジュン君の友達のスズキさん」という情報しか知らない状態で、


スズキさんが……


スマホを落とした!!


それを私が……

拾い……!!!!


自分のデスクに持ち帰り、プロファイリング開始と相成った。ちなみに制限時間は1時間。この間、ジュン君とスズキさんはメシを食いに行っているのだが、私がまず最初に覗いてみたのは……


LINE……


なにぶんガチでスズキさんが使っているスマホなのでスクショや写真等はお見せできないのだが、開始10分以内で、私はもうスズキさんの職業をなんとなく特定した。おそらくのところ、芸能系。いわゆる「ギョーカイ人」であると見た。


というのも……


LINEでやりとりしている相手に、有名なアイドル(迷惑メールのニセモノではない)などが含まれていたからである。なお、さすがにLINEの会話の中身を見るのは申し訳ないので遠慮しておいたが、それでも職業がなんとなくわかる。

お次は、「連絡先」を眺めてみた。すると、やはり芸能人 or アーティストっぽい、はたまたスタジオっぽい……いわゆる「業界っぽい名前」がズラズラズラ〜っと並んでいる。また、連絡先の件数も膨大で、ものすごく頻繁に「電話でやりとり」をしているもよう。やはり芸能系の仕事で間違いない。


その後はSNSをチェック。TwitterやInstagramもインストールされていたが、もっとも個人情報がわかりやすいのはFacebookだ。たとえカギをかけていたとしても、「自分」からは全部が丸見え。そして開始から20分ほどで……


本名:鈴木健太郎
生年月日:昭和59年10月26日
勤務先:株式会社ローズクリエイト
出身地:愛知県名古屋市
携帯番号:090-XXXX-XXXX


ここまで特定できた。もちろんソッコーで会社名を検索し、会社の住所も電話番号も特定完了。ちなみに鈴木氏は同会社の代表取締役であり、事業内容には「アーティストマネジメント部」もあった。やはり……芸能関係でビンゴだ。

会社は判明したが、自宅が不明。しかし、その後、鈴木氏のスマホにある「写真」をくまなくチェックしていたところ、何かのサービスの登録に使ったであろう「運転免許書の写真」があったので、自宅住所もアッサリと特定できた。


そこからは、メモ帳やカレンダーを見たり、メールを斜め読みしたりしただけで、どんどん鈴木氏の素性がわかってきた。箇条書きにしてみるとこうだ。


・サッカーが好き
・犬が好き
・楽器のレンタルをたくさんしている
・なんかモメてる案件がある
・うなぎが好き
・釣りも好き
・ムフフな動画はDL派
・スラムダンクが好き
・歌舞伎町によく出没する


さらに、鈴木氏の実家の住所と電話番号、ならびに父親らしき人物の名前までも特定完了……し終えたあたりで1時間のタイムオーバー。メシから鈴木氏が帰ってきたので答え合わせをしてみると……

「……ええーっ……」

あってます……

「ヤバイですね……。こわい……。もっとセキュリティ、ちゃんとしとこ……

「スマホって、基本的に人に見せないモノじゃないですか。だから、こうして他人からズバッと当てられると……客観的に自分を見ているというか、日々の生活を改めたいと思いました(笑)


──とのことで、上に挙げた項目はバッチリ正解していたもよう。仮に私が鬼になってLINEのトーク内容や、さらに細かくメールの内容などを覗き見していれば、より詳細かつ正確な情報が丸裸。もしも私が完全なる悪人であれば、鈴木氏の人生をドン底に陥れることなんて余裕のヨッチャンとなるわけだ。


たかがスマホを落としただけなのに……


スマホを落としただけなのに……



……そう!


実は今回の検証よりも、さらに恐ろしいことになる映画が存在する。その名も……なんとまさかの『スマホを落としただけなのに』で、原作は志駕晃の『スマホを落としただけなのに』(宝島社文庫)だ。軽くストーリーを紹介すると……


彼氏に電話をかけたら、聞こえてきたのは知らない声! たまたま落ちていたスマホを拾ったという男からスマホは戻ってきたが、その日を境に不可解な出来事が連発で発生!! クレカの請求に、SNSでのネットストーキング、さらにアカウントは乗っ取られ……最終的には連続殺人事件に発展!


──と、かなり端折って書いてみたが、いずれにしても、たかがスマホを落としただけなのに、想像を絶する大変なことになってしまうというストーリーである。誰にでも起こりうる恐怖。危険回避の意味でも、観ておいて損はないだろう。

ちなみに出演は、北川景子に千葉雄大、成田凌に田中圭、原田泰造にバカリズム……と、豪華キャストが勢揃い。2018年11月2日、全国東宝系にてロードショーだ。もしもスマホを落としたらどうなるのか? その答えは、実際に映画で確認しよう。もちろん映画館でスマホを落とさないように要注意!

参考リンク:映画『スマホを落としただけなのに』
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

(c)2018映画「スマホを落としただけなのに」製作委員会