通っている時は日常なのに、卒業してしまうと無性に懐かしくなるのが学校だ。しかし、学校は部外者になってしまえば、かなり断絶された空間。一度卒業してしまえば、いくら懐かしくとも戻ることはできない

しかし、青春時代のほとんどを過ごした場所であるにもかかわらず、学校の中をくまなく知っているという人は意外と少ないのではないだろうか。私(中澤)は活動範囲も狭く、クラブの縄張り的なものも怖かったので、思い返すとそんなエアスポットでいっぱいだ。そこで、卒業してから無性に気になったスポットを5つ厳選してみた。

・その1「図書室」

私は学生時代、ほとんど活字を読まなかったので、図書室に行こうという考えすら浮かばなかった。しかし、考えてみたら図書室は、友達のいなかった私にとって、1人で過ごしていてもおかしくない絶好のスポットであったような気がする。

しかも、アニメでは図書室での出会いはかなりベタな展開となっている。ひょっとしたら、友達もできて入り浸れる場所になったかもしれないのに、なんで1回くらい利用しなかったのか……と後悔は尽きない。

・その2「下駄箱」

当たり前すぎて、全く細かく見ていなかったのが下駄箱。しかし、デッカイ下駄箱のある昇降口こそ学校独特の光景である。空気のようにありふれた場所だからこそ、行けなくなったら懐かしくなるものだ

・その3「渡り廊下」

風が吹き抜ける渡り廊下は、在学中もベストプレイスではあったのだが、ほとんどはどこぞのクラスのリア充がいたため、1人の私はあまり落ち着いて満喫できなかった。そういう意味では、今思い返してもあまり良い思い出はないが、その雰囲気には胸がしめつけられるものがある

・その4「保健室」

結構ヤンキー率が高いため、全く利用しなかったのが保健室だ。今考えると、逆に保健室に入り浸っていたら、ヤンキーでも顔なじみにはなれたかもしれない。あの頃の自分に戻って保健室に入り浸ってみたいものだ

・その5「放課後の教室」

ガランと誰もいなくなった茜差す放課後の教室は、ノスタルジーの定番。私は、毎日即行で帰ってビデオ録画した金曜ロードショーの『もののけ姫』を見る生活を送っていたので残ったことはなかったが、1回くらい放課後の教室の雰囲気を味わってみたかった。あの時の自分を殴りたい

──以上。いかがだっただろうか。なお、次点に放送室・生徒会室・校長室がランクインしている。全部行ったことないな……。マジでクソか、私の学生生活は。

それはともかく、もしこれを読んでいる人の中に現在在学中の人がいるならば、ぜひ勇気を出して一歩を踏み出してみてくれ。どうせ踏み外しても、踏み出さないよりはマシということは後からわかるはずだから。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.