コンビニのトイレを借りたお礼にガムなどを買う人がいるが、仕事を増やされるので店員は迷惑している……。黙ってトイレを使って、黙って去って行けばいいのに……。ネット上でそんなバイト従業員の本音が聞かれることもあるが、やはり運営側は「トイレだけ黙って借りて去って行く人」をあまり歓迎していないのかもしれない。

海外マクドナルドのある店鋪では、“トイレを使えるのは客だけ” といった新たなルールを導入したのだ。すると客からクレームがあがり、ネット上で賛否の声が巻き起こっている……。

・トイレを使うにはレシートが必要?

オーストラリア・クイーンズランド州サンシャイン・コーストのとあるマクドナルド店鋪が、次のようなサインをトイレの外に掲げて話題を集めた。


「トイレのご利用はマクドナルドのお客様のみに限らせていただきます。コードはレシートに印字されています」


レシートに書かれたコードを入力するとトイレのドアが開くというのだが、この新ルールに困惑するお客さんもいた。90歳の祖母を連れて店を訪れたキム・マクドナルドさんは「やり過ぎではないか」と Facebook 上で訴えた。

・客「先にオーダーをしないとトイレに入れないのは面倒」

お昼を食べるために入店したというキムさんは、まず祖母を連れてトイレに行った。おばあさんはゆっくりとしか歩けず、車を降りてから5分かけてトイレにたどり着き、そこで初めて「トイレを使うにはコードが必要」だと知ったそうだ。

「90歳の老人が、10分以上もオシッコを我慢しなければならなかった。漏らさなかったのは運がよかっただけ」と話すキムさんは、次のように続ける。

「長いこと車を運転した後にマクドナルドに着いたら、食べる前にトイレに行きたい人がほとんどだと思います。先にオーダーをしないとトイレに入れないのは、ちょっと面倒ではないでしょうか」

深夜に酔っぱらった若者が店のトイレをメチャクチャにする……といった問題も起こっており、新ルールはその対応策とも言われている。キムさんはそれを理解しつつも「それなら子供や妊婦、身体障がい者やお年寄りのためにも、昼間はトイレを開放しておいた方がいいのではないか?」と主張する。

・「自由にトイレを使わせてほしい」と主張する人びと

キムさんの投稿に賛同する人は多く、ジョー・アンさんも「ウチの5歳の娘もトイレが使えなくて漏らしてしまいました。店の客なんです。プレイランドで遊んでから、アイスクリームなんかをオーダーすることもあります」とマクドナルドに宛てたメッセージを公開。

他にも……

「誰だってマックでコーヒーを頼んだり、子供に何かを買ってあげることも多いはず。急を要するなら、そのときに何も買わなくても、トイレを使わせてあげてもいいのでは?」

「食べる前に手を洗いたいから、いつもはオーダーの前にトイレに行っているんだけどな」

「食事が冷めるのが嫌だ」

……なんてコメントも寄せられた。

・フランスやトルコなどではすでに一般的

その一方で、マクドナルドを擁護する声も聞かれている。

「なにが問題なの? マクドナルドは公共施設じゃない。トイレの清掃にもお金がかかる」

「トイレはキレイな方が良いから、これは嬉しい。ファストフード店のトイレって汚いことが多いし」

「嫌なら公衆トイレに行けばいいだけでしょ」

またフランスやドイツ、シンガポール、トルコなど一部のマクドナルドでは、この「レシートに印字されたコードを入力しなければ、トイレが使えない」というルールがすでに導入されている。

「パリではずっとこの方法だよ。安いアイスクリームとかクッキーを買ってトイレを使っている。とても清潔に保たれているんだ。無料だけど超汚いトイレよりもずっといい」

……といった意見があがったり、

「何も買わなくても、他のお客さんにレシートを見せてもらえばよい」

……なんて “裏技” も報告されていた。

ちなみに本件を伝えた『ABC』によると、店の店長は「セキュリティ上の問題があったため、半年前にこのようなシステムを導入しました。カウンターからはトイレが見えず、店の反対側には別の出入り口もあります。システム導入以降、なんの問題も起こっていません」と話しているとのことだ。

参照元:ABCYahoo 7 NewsFacebook(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.