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『機動戦士ガンダム』といえば、日本を代表するロボットアニメである。1979年にテレビアニメとして放映されて以来、現在に至るまでそのシリーズは続いており、さまざまなアニメ作品に多大なる影響を与えている。そのガンダムをもし落語で表現するとしたら……。

「そんな無茶なことができるはずがない!」 と思う人も多いだろうが、その無謀な挑戦に鬼才立川志らく師匠が挑んだ。2016年2月28日より公開されたガンダム落語「らすとしゅーてぃんぐ」を見ると、そう来たか! と思わずにはいられない。ファンなら登場人物や設定に笑ってしまうに違いないだろう!

・設定が面白い!

私(佐藤)は史上初のガンダム落語を28日に東京・千代田区ベルサール秋葉原で行われた公演で見た。落語は物知りで知られる隠居がガンダムの起源について語るところから始まる。隠居いわく、江戸の終わりにガンダムと似た物語があった……、という設定の物語。

「“白子坂”にある“木馬”という長屋に、大工の棟梁“アムロウ”さんがいた。その長屋の大家は、穀物問屋“ジオン家”の旦那で、“赤い半てんのシャア”」

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ホワイトベースのアムロに、赤い彗星のシャア。ホワイトベースを長屋に置き換えたところが、いかにも落語らしい。赤い半てんというと、着物なんだけど……。あ、そうか! モビルスーツ! ということか。何コレ、設定を聞いてるだけでワクワクするんだけど!

・落語にアレンジされた登場人物

物語は、長屋の住人の1人、大工の「ヨハロウ」が家賃を滞納することに始まるケンカ騒動だ。ヨハロウとはガンダムでいうところの誰のことなのだろうか? 公開された動画を見て確かめてみて欲しい。落語では欠くことのできない存在を、見事にガンダムで表現している。そのほかにも「オハナボウ」や「オセイ」、「ブライモン」などなど。作中でお馴染みの人物が江戸風にアレンジされているぞ。

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・一番の苦労

ガンダムの世界観を、落語に置き換えるのに苦労はなかったのか? 公演終了後のインタビューで師匠に尋ねた。そもそも師匠はガンダムを知っていたのだろうか?

師匠は「ガンダム」という名前は知っていたのだが、作品を見たことがなかったそうだ。今回の依頼を受けて、劇場版3部作を見たそうだ。見る前までは正直それほど期待していなかったそうなのだが、その面白さにハマったのだとか。

「落語にするに当たって、『大工調べ(落語の演目)』を題材にしようと思いましたね。これはケンカの話なので、ガンダム落語に合うだろうと考えてました。ガンダムらしさをどう残すか、その点に一番苦労しましたね」

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・散りばめられた名セリフ

設定の段階でいろいろと試行錯誤を重ねたそうで、動画の撮影や公演で落語を披露する段階になって、ようやくしっくり来たそうだ。ちなみに落語のなかには、様々なガンダムの名セリフが散りばめられている。師匠が作品にハマったおかげでスイスイと口から出てきたそうだ。「殴ったね!」のあたりはかなり面白いので、良くチェックして欲しい。

それにしても、古典的芸能の落語とアニメーション「ガンダム」の融合。鬼才と呼ばれる志らく師匠だからこそなせる業ではないだろうか。マジで一聴の価値アリ!

参考リンク:ガンダム落語「らすとしゅーてぃんぐ」
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼立川志らく師匠 ガンダム落語「らすとしゅーてぃんぐ」

▼立川志らら師匠 パチンコ落語

▼ベルサール秋葉原に登場したガンダム立像。細部まで作り込まれており、超カッコいい!
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