約1年前、東京都の小池都知事が、東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策として「かぶる傘」を発表した。おそらく当時、ダサすぎる見た目に衝撃を受けた方も多かっただろう。しかし、時は流れて2020年夏、例の傘の存在をすっかり忘れていた私は……

ネット上で『かさぼうし』を発見した瞬間、なんて斬新かつ実用的なアイテムなのだ! と感銘を受け、数秒後には商品をポチっていた。これは流行るに違いない。しかし、執筆した記事は壮絶にスベり、残念ながら今のところ流行っている雰囲気は皆無。頭にかぶる傘の存在は、ふたたび私の記憶から抹消されたのだった。

・イオンのガチャガチャコーナーにて

しかし先日、イオンで買い物を終えた後に「ガチャガチャの森」なるコーナーをチェックしていると、どこかで見覚えのある商品を発見。そう、また出会ったのだ、頭にかぶせる傘に。商品名は『かぶせられる傘』。お気に入りのフィギュアの頭にかぶせて使用する傘らしい。

同商品を見つけた瞬間、恥ずかしながら「え、これって俺?」とつぶやいてしまった……もちろん分かっている、絶対に違うということは。1万%違うと分かっているのに、妙に嬉しい気持ちになったため、記念に1個(200円)購入することにした。

やはり流行っていたのだ……だって頭に傘をかぶるスタイルは斬新だし、どう考えても実用的じゃないか。なお、カプセル内には傘しか入っていなかったため、ついでにもう1個テキトーにフィギュアをゲットしてガチャガチャの森を出た。よーし……。

・フィギュアにかぶせてみた

さっそくフィギュアを組み立てて、頭に傘をかぶせてみた。この時点で何が面白いのかは自分でも全く分かっていないが、傘をかぶったフィギュアは完成。とにかく、頭に傘をかぶせるスタイルが流行っているならば、時代を象徴するフィギュアができたということだ。


さて、ついでに私も「かさぼうし」をかぶって、商品ポスターのような撮影を試みることに。夏の終わりに半裸で撮影するのは恥ずかしいが、できる限りポスターに近い感じで写りたい。まるで商品のモデルになったかのような雰囲気を醸し出すためである。

ただ、撮影後に少し冷静になり……半裸写真は採用せずにSNSへ投稿。冗談っぽく「とうとう私もガチャガチャになりました」というコメントも添えて投稿した。一応、投稿の意図を解説すると……数カ月前に執筆した記事との偶然の一致に驚きつつも、時代の最先端にいることをアピールしたい内容である。

しかし、私はまだ忘れたままだったのだ、小池都知事が発表した日傘のことを。なので当然「それ、小池都知事が発表したやつ」というコメントをいただき……そして、思い出した。あのダサすぎる日傘を。テレビを見ながら「誰もかぶらねえよ」と思った傘のことを。こ、これは恥ずかしいぞ。

半裸で撮影した写真を公開しなかったのはギリギリ不幸中の幸いだが、ガチャガチャコーナーで、一瞬でも「えっ、俺?」と思ってしまった過去の自分を蹴り飛ばしたい気分である。今後は恥をかかないよう気をつけたい。とにかく、勘違いは恐ろしい。

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.