しまったーーー! 忘れてたーーー!! 新宿・歌舞伎町シネシティ広場で今、「激辛グルメ春祭り」が開催されてるんだったーーー! こうしちゃいられねぇ。今すぐ絶望的な汗っかきでお馴染み・GO羽鳥を連れて行かなければ……! 辛いものをたっぷり食わせて、大汗をかかせなければッ!!

そう、思い出すのは去年の夏のこと。「激辛グルメ祭り2018」にて超辛い麻婆豆腐を食べた羽鳥が、一瞬にしてシャワー後のような状態になった光景は衝撃ですらあった。あれから約9カ月……。果たして今年の羽鳥は、我々にどんな汗芸を見せてくれるのだろうか? さあ刮目せよ!

・歌舞伎町で開催中

2019年5月10日から5月20日まで、計10日間に渡って開催される「激辛グルメ春祭り」。これまで夏に行われていたが、好評につき春にも実施されることになったらしい。激辛ブームは元号が令和になっても絶好調のようだ。

・世界一辛いだと?

5月10日から14日までの1st ラウンドに出店している6店の中から、羽鳥にふさわしい激辛料理を……と物色していたところ、おあつらえ向きのメニューを発見したぞ。「サフラン池袋 幻のインド料理」が出している、その名も『世界一辛いカレー(1200円)』! オーケーそいつをいただこう!!

「爆発してください」と笑顔で渡された『世界一辛いカレー』は、タバスコの約401.5倍もの辛さを誇るというオリジナルの “ブートジョロキア” が使用されているとのこと。見た目は普通にウマそうなカレーだが、絶対ヤベーよこれ……。

・試合開始

世界一辛いカレーに羽鳥はどう立ち向かうのか? さあ、汗っかき男子の底力を見せてくれ! ファイヤーーーーー!!


さっそくカレーを口いっぱいに頬張る羽鳥。


が、次の瞬間……。



固まる……!


まるでガンジー像のように……!!


・まさかの展開

やはり羽鳥に世界一の辛さを誇るカレーは荷が重かったのか。これでは汗をかくどころか、完食すら難しいかもしれない。楽し気な周囲の喧噪をよそに、不穏なムードが現場を包む。


しかし。


羽鳥の顔を見上げた私(あひるねこ)は言葉を失う。


固まっていると思った羽鳥が……


なんと……


笑ったのだ。

マジかよ、とうとう辛さで頭がおかしくなったらしい。と思いきや、その後もパクパクとカレーを口に運ぶ羽鳥。ええ、ちょっと! 大丈夫っすか!? さすがに心配する私に向かって、羽鳥はこう言い放った。


「これ余裕かも!」


な、何だってーーー!? しかしよく見ると、たしかに羽鳥の額には汗がほとんど見当たらない。前回は完全にシャワー後だったのに、一体どうしたってんだ?

・意外といける

なんでも『世界一辛いカレー』と羽鳥は相性がべらぼうに良いらしく、もちろん辛いことは辛いのだが、カレー自体が非常にウマいこともあり、じゃんじゃん食べられるのだそうだ。

私も実際に食べてみたが、なるほど……決して食べられない辛さではないように思った。あとカレーが普通にウマい。

結局ペロっと『世界一辛いカレー』を完食してしまった羽鳥。ドヤ! みたいな顔をしていますが、いやいや……汗は?

・仕事しろ

わざわざ会場まで来ておいて、ノー汗でフィニッシュはありえないだろう。そこで羽鳥にはもう一品食べてもらうことに。お、あれはどうです? 「一輪」の『辛麺 とんでもねぇ(1200円)』。名前からしてだいぶ意味分かんないっすね。よし、あれにしましょう!


──しかしこの後、『とんでもねぇ』によって我々はマジでとんでもねぇことになる。


・とんでもねぇ

そば粉入りのもちもちとした食感のこんにゃく麺が特徴の『とんでもねぇ』。その辛さは、スープを口に入れた瞬間に思わず沈黙してしまうほどヤバイという。これは良い汗が期待できそうだ。

すでに辛そうな匂いがあたりに充満しているが、先ほど完全勝利をおさめた羽鳥は余裕の表情で麺をすすり始める。ズズッ! ズズズ~ッ!!

あちゃー、今回もあまり汗をかかずに完食されたらマズいな……と思ったのも束の間。次の瞬間、羽鳥の顔に異変が起きた。


え!?


羽鳥さん?



そんな顔でしたっけ……?


・とんでもねぇ

私のスマホカメラには、羽鳥とまったく同じ格好をした謎のおっさんが写っていた。それがどうやら羽鳥本人だと気付いたのは数秒後のことである。一体何が起きたのか?

「これとんでもねぇ……」と悶絶する羽鳥。その様子はちょっと尋常ではない。『世界一辛いカレー』を遥かに上回る辛さであることは間違いなさそうだが……。

・異常な辛さ

羽鳥によると、去年食べた『天獄麻婆豆腐』が青龍刀なら、この『とんでもねぇ』はダイナマイトのようなものらしい。麻婆豆腐には「斬られた……!」という感触があったが、今回はドアを開けたらいきなり爆発して死んだ感じなんだとか。うむ、よく分かんねーけどそりゃキテんな。

さて、肝心の汗についてだが、食べた瞬間は一気に放出したものの、勢いがつく前に羽鳥が限界を迎えてしまったため、残念ながら期待したほどの量にはならなかった。が、あの劇薬のような辛さの前では仕方ないことなのかもしれない。私など一口食べただけでギブアップしてしまったからな。

・もう一つの “世界一”

水を飲んでも焼け付くような辛さが喉から消えず、痛ててててて! と苦しむ我々。身の危険を感じたため、マッハで会場にあったカルピスを買って羽鳥に手渡す。震えながらペットボトルに口をつける羽鳥。しかしその直後……。


「ウマ~い♡」


まるで少年のような笑顔を浮かべるアラフォーのおっさん。だが、たしかにこの時のカルピスのウマさは筆舌に尽くしがたいものがあった。水とかビールとか言ってられんぜ。「激辛グルメ春祭り」での必須アイテムは、もうカルピス以外ありえないのだ!

・とんでもねぇ

正直言って今回は、羽鳥に辛いものを食わせて汗をかかせるという本来の目的を達成することはできなかった。しかし、怪我の功名というやつだろうか? 偶然にも我々は、世界一ウマいカルピスの飲み方を発見したのである。


「とんでもねぇ……!」


涙を浮かべながらカルピスを流し込む羽鳥。しかしその「とんでもねぇ」には、先ほどとは打って変わって爽やかな風が吹いている。ありがとう「激辛グルメ春祭り」、ありがとう「とんでもねぇ」。キミらのおかげで我々は、「とんでもねぇ」カルピスの味を知ることができたのだ。

参考リンク:激辛グルメ春祭り
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.