京都の人は結構パンを食べる。総務省が作成した家計調査のデータを見てみると、世帯あたりのパン消費量は全国主要都市の中でもトップレベル。「和」のイメージとは裏腹に京都民はパンが好きなのだ。

そして、そんな京都っ子に愛されている激ウマご当地パンこそ今回紹介する「カルネ」だ。平凡なルックスからは想像できないウマさを誇る、魔法のパンの秘密を大解剖!

・コルネじゃないよ

コルネといえばチョコの入った甘いパンだが、今回紹介するのはコルネじゃなくて「カルネ」。京都府を中心に20店舗ほど展開するベーカリー・志津屋のオリジナル商品だ。

筆者は京都に住んで20年ほどになるが、これが京都のローカルグルメだと最近まで知らなかった。志津屋自体が当たり前にある存在だったので、普通に全国チェーンなのかなと思っていたのだ。

まあ筆者が世間知らずなだけの可能性もあるが、それだけ京都の人々には浸透したパンであるということ。まだ食べたことがない方のために、その不思議な美味しさをお伝えしよう。

・抜群の完成度

どんなパンかというと、玉ねぎとハムのサンドイッチである。ただしサンドイッチといっても食パンを使った三角形のものではなく、丸いフランスパンでハンバーガーのように具材を挟んである。

なにか豪華な具材が使われているわけでもなし、どこからどう見てもルックスは普通のパン。観光などで京都に来た人が、わざわざ食べるものだとも思えない。しかし奇跡的に美味いんだな、こいつが。

最大のポイントは中に塗られているマーガリンである。この厚みのあるパンに、味付けはマーガリンだけ。味が薄そうだと思うかもしれないが、ほどよく塩味の効いたマーガリンが絶妙な分量で塗られており、パンの端まで味が行き届いているのだ。

このマーガリンの分量は「これ以上多くてもダメ、少なくてもダメ」という絶妙な塩梅。パンに染みすぎることもなく、表面だけがジュワリとしている。匠の技ともいえるマーガリンの使い方が第一のポイントだ。

第二のポイントはパンの食感。ドイツやオーストリアで食べられるカイザーゼンメルというパンをイメージしたものが使われているらしいが、そういう細かいことはあまり重要ではない。このパンの食感がGOODなのだ。

基本的にはモチモチとした柔らかいパン。ただし皮の部分だけは硬いので、かぶりついた瞬間はハード系のパンを食べているような感覚にもなる。一口ずつにパンの柔らかさ&硬さ、シャキシャキ玉ねぎ、ハムという異なる食感を味わえる点が第二のポイントだ。

シンプルなのに虜になる不思議な味は、実際に食べてみないとなかなか分からない部分もある。とはいえ、爆ウマな魔法のパンであることは間違いない。値段は税込200円と求めやすいので京都に来たら食べてみて。

なお日持ちはしないから、お土産としては不向き。志津屋にはカフェが併設されている店舗もあるので、そういった場所で食べていくのが良いかと思う。また京都駅でも販売されており、帰りの新幹線で食べる軽食としてもオススメだぞ。

参照元:志津屋「カルネ」、総務省統計局
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.

▼ペッパー味のカルネもあるぞ

▼見た目は一緒だけどね(中にペッパーマヨが入っている)