ロマンスポットの宝庫である横浜。赤レンガ、みなとみらい、中華街とキラキラスポットは有名だが、現在、別の意味でロマンを追求しているのがガンダムファクトリーヨコハマにある実物大“動くガンダム”だ

天を衝く18メートルの巨体はアニメそのまま。しかも、立っているだけではなく動くのだから、なおさら現実のこととは思えない。いまだかつて誰も見たことがない光景がそこにある。まさにロマン。そんなガンダムの足元に謎の自販機が置かれているのを発見した。

・自販機の謎

その自販機があったのはグッズ販売店「THE GUNDAM BASE YOKOHAMA Satellite」を出たところ。外側の壁に設置されるように2つ自販機が並んでいるのだが、その中の1つが……


めちゃんこガンダムに乗っとられている。

いや、これはガンダムが自販機に乗っ取られているのか? あ! ひょっとしてガンダムグッズの自販機だろうか。それならこのデザインも頷ける。キーホルダーとか売っているに違いない。なるほどなるほど。


と思いきや全部ジョージアの缶コーヒーだった

しかも、ラインナップはジョージア エメラルドマウンテンブレンド、ジョージア グラン 微糖、ジョージア ディープブラックの3種類のみ。こんなに一杯ボタンあるのに硬派すぎるだろ……! ちなみに、170g缶は110円で185g缶が130円である。(※メーカー希望小売価格)

・ジョージアガンダム

さらに、よく見たら、自販機を乗っ取っているガンダムの肩にも「GEORGIA」と書かれているではないか。言うならばこれはジョージアガンダムだ。

『機動武闘伝Gガンダム』のモブみたいな自販機を作ってコカ・コーラは一体何を企んでいるのか。その謎を解き明かすべく、我々取材班はエメラルドマウンテンを買ってみた。すると、ボタンを押した瞬間……


\横浜までよく来たな/

喋った!! しかも歓迎してくれている! ジョージアガンダムの表情から気持ちを読み取ることはできないが、どうやら敵意はないようだ。誤解されやすいタイプなのかもしれない

・カードダス感

出てくる缶にはガンダムのシーンが描かれているのだが、どのシーンが出るかはランダムなようである。ちなみに、先ほどのエメラルドマウンテンに描かれていたシーンは「セイラ出撃」。

ってザクかよ。セイラさんと言えば重要なキャラではあるが、缶の絵はザクのシーンなのである。どうせならガンダムの絵を見てみたいところ。そこで、別ボタンで2個目を購入してみたところ……

クッ、ダブった


カードダスを思い出すぜ。何度ザクがダブったことか。子供の頃のトラウマを思い出しながら、2つのザクパッケージを眺めていると絵の下にアルファベット6文字のコードが書かれていることに気づいた。

・抽選キャンペーン

どうやら、抽選でガンダムグッズが当たるキャンペーンが開催中の模様。ジョージアのサイトでこのコードを入力すると、1ポイントがもらえ、ポイント数に応じて抽選の商品が選べるようだ。

なになに? 1ポイントだと「ガンダム名シーンデザインVISAギフトカード(1000円分)」か「モビルスーツの目が光る!バッテリー内蔵スマホケース」が選べるのか。ギフトカード1000円分とか普通に1000円もらえるようなものなので、ファンでなくとも当たったら得である。


試しにコードを入力して応募してみたところ……


抽選中の画面に!

え? 抽選って今されんの? てっきり、応募しといて結果発表は後日かと思っていた。その場でサクッと結果が出るっていうのは手軽でいい。まあ、ハズレだったんだけど。ちなみに、ハズレてもガンダムオリジナルスマホ壁紙がもらえるらしい……

ってギャンかよ! これ壁紙にしたいヤツなかなかいないだろ。せめてマ・クベが良かった。

・なぜジョージア×ガンダムなのか?

そういえば、ジョージアといえば最近TVでもガンダムファクトリーヨコハマとコラボしたCMを見かけた。どうやら、かなり力を入れてガンダムとコラボをしているらしい。でも、なぜジョージアとガンダムなのか。

自販機を見るに、一見、完全にノリでやっているような気もするが、念のため、コカ・コーラ社の企画担当者である敷根さんに話を聞いてみた。ノリですか

敷根さん「ジョージアのブランドメッセージは『世界は誰かの仕事でできている』。ジョージアは、すべての働く人の、日々の頑張りに寄り添い、次に向かおうとする前向きな気持ちを届け応援してきました。

一方、動く実物大ガンダムも、様々な人が関わり実現されたプロジェクトです。最初は、夢だったことが多くの人が関わることにより実現していく。人と人とのつながりだと思います。そのストーリーを通して、多くの人が共感し前向きな気持ちを感じてくれたらというのが、今回のコラボキャンペーンの狙いです」


──ガンダムという作品だけではなく、「動く実物大ガンダムを作る」というプロジェクトのストーリーに共鳴したということですかね


敷根さん「もちろん、2019年に行ったエメラルドマウンテンとアニメの「機動戦士ガンダム」のコラボがコアなファン層に受け入れられたという背景もあります。しかし、今回のプロジェクトは、実物大の “動くガンダム” とのコラボキャンペーン。ガンダムファンでなくともワクワクするものかと思います。

多くの人が働く環境が変わり、不安やストレスを感じている今だからこそ、一人ひとりの頑張りを認め、肯定し、働く人を応援するメッセージを発信していきたい。キャンペーンメッセージの『つくりたかったのはワクワクする未来。』に込めたのは、そんな思いです。実物大の “動くガンダム” をひとつの象徴として、ジョージアから希望のあるメッセージを発信していきたいですね」

──すみませんでしたァァァアアア! 確かにガンダムマニアではない私もテンションが上がったことは事実。ガンダムをよく知らなくとも天を衝くモビルスーツが動く迫力を目の当たりにしてロマンを感じない人はいないのではないだろうか。

ちなみに、敷根さんによるとジョージアガンダム自販機のメッセージは、アムロバージョン6種類にシャアバージョン6種類あるようだ。また買いたくなっちゃう! ガンダムファクトリーヨコハマに行ったら、実物大ガンダムだけでなく自販機も要チェックだ。

・参加方法と抽選景品の詳細

今回のキャンペーンは、コラボデザイン缶だけでなく、ジョージアのほぼ全製品が対象となっている。さらに、自販機での製品購入だけでなく、店頭で対象製品を購入したレシート、コカ・コーラの公式アプリ「Coke ON」、オンラインでのケース買い購入でも参加できるというから、相当力の入ったキャンペーンである。

なので、コラボデザイン缶に限って言えば、ガンダムファクトリーヨコハマでなくとも、ガンダムデザイン缶をゲットして、缶に記載のコードをサイトに入力すれば抽選キャンペーンへの参加は可能。改めて、コラボデザイン缶でのポイントごとの抽選対象グッズは以下の通りとなっている。

<1ポイント>
・ガンダム名シーンデザインVISAギフトカード(1000円分):5000名様
※デザインはお選びできません。
・バッテリー内蔵スマホケース:5000名様
6種類のモビルスーツから好きな1種類を選択できます。スマホケースに描かれたモビルスーツの目が充電中に光ります。

<5ポイント>
・GUNDAM FACTORY YOKOHAMA/BGEORGIA SPECIAL TOURペアご招待:ペア50組100名様
・HG1/144 RX-78F00 ガンダム&ガンダムドック(GUNDAM FACTORY YOKOHAMAデザイン):4000名様
GUNDAM FACTORY YOKOHAMAで公開中の実物大“動くガンダム”のガンプラ「HG1/144 RX-78F00 ガンダム&ガンダムドック」をプレゼントします。

<応募者全員プレゼント>
・「ジョージアオリジナルデザイン ガンダムデジタルスマホ壁紙」
※各プロモーションの詳細は「ジョージア」の特設サイトをご確認ください。

──1ポイントの抽選品が、ファンではなくとも使えるものであることは前述した通りだが、5ポイントの抽選品はよりコアなファン向けであるように感じた。特に、ガンプラは、ガンダムファクトリーヨコハマのドックに立つガンダムの144分の1プラモなので、見る度にあの光景を思い出すに違いない。

・ガンダム原作者の想い

なお、ガンダムファクトリーヨコハマには、原作者である富野由悠季(とみの よしゆき)氏のメッセージが書かれたパネルも飾られているのだが、そこにはこんな言葉が並んでいる。

「今日、実物大のガンダムを見に来てくださって、「あれ、歩かないのか、つまんないな」と思った君には、心からごめんなさい、とあやまります。
本当は、この大きさで歩くガンダムを造りたかったのですが、おじさんたちができることは、ここで見られる以上には動かせなかったのです。本当にごめんなさい。

(中略)なによりも、ガンダムの高さの大きさのものを “乗り物” と認めてくれる法律がなくて、“建造物の法律” にしたがって造る必要があった、絶対に倒れてはならないものを造る必要があったのです。
ですから、整備塔のようなものの一部としてのガンダム、にしなければならなかったのです。

二本足で歩かせることができなかったので、悔しいと思っています。ですから、君たちにお願いしたいことがあります。
もっと乗り物として動かしたいと思う人は、このガンダムを見上げて、解決しなければならない問題がいっぱいあるのだ、という想像をして、その解決策を考えだしてほしいのです」

──動く実物大ガンダムが実現したとは言え、フィクションとの壁はいまだに厚い。しかしながら、子供の頃からガンダムがあった我々の世代は、巨大ロボに対してある種のベタ感を感じるようになっている。素人中の素人の考えで申し訳ないが、「歩くだけならそのうち実現できそうな気がする」と思えるのだ。これはおそらくガンダム登場時にはありえなかった捉え方だろう。

実物大ガンダムができるまでを描いたジョージアのCMで、山田孝之さんは「動いたのはみんなの心です」と言っているが、いつだって未来を作るのは1人1人の想像力。ワクワクする未来を作っていこう、我々の手で。世界はそんな誰かの仕事でできているのだから──。

参考リンク:ジョージア
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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