南極点に向かって歩き続けている荻田泰永(おぎたやすなが)氏の、17日目の無補給単独徒歩の行程は終了した。定時連絡が日本の事務局に入ったので、現在の状況をお伝えしたいと思う。

・荻田氏からの定期連絡(日本時間 12月4日)

現在地:82度09分 西経:80度03分
この日の移動距離:20.7km
標高:853m
天候:晴れ
気温:マイナス13度

・移動距離、更新

新しく降り積もった柔らかい雪で、ここ数日思うように歩くことができなかった荻田氏。しかしその雪も寒さで次第に硬くなってきて、この日は順調に歩みを進めることができたようだ。移動距離は20.7km。今回の冒険でもっとも長い

さらに幸いなのは、長い距離を歩いたのに、疲労感は少ないらしい。どうやら、ソリをひきやすくなったことが大きいようだ。

・食欲も増している

食欲も増してきており、身体は本格的に「冒険仕様」に変化しているとのこと。食が進めば、その分荷物も軽くなって距離も稼げる。好循環に入っていることがうかがえる。この調子で、1日20kmのペースを保っていって欲しい。


・お悩み相談の回答

では、荻田氏のTwitterに寄せられた「お悩み相談」の回答を紹介しよう。


相談「荻田さんの勇姿より、とてつもない活力を頂いています! 質問ですが、荻田さんのような大きな挑戦をしていく人が今後増えていくと嬉しいのですが、そんな挑戦をする時、今の若い人たちに足りないと思うものはありますか?」

荻田「若い人よりも、我々40代以上の人たちが「もういい年だから」とか「いや、いろいろ事情が」と言って挑戦を避けることが一番の害悪だと思います。上の世代が楽しく踊る姿を見せていれば、子どもたちも「踊るの楽しそう」と思って勝手に踊りだします」


相談「告白されてOKと言ったものの、どうしても相手に恋愛感情を抱けないです。この関係を続けるべきなのか、断るならどういう言葉を選べば良いと思いますか?」

荻田「関係を続けるかどうかは、答えが出ているでしょうから、こういう悩みになるんでしょう」


相談「なにかを長期的に取り組むときのモチベーションの維持がむずかしいです。どうすると維持できますか?」

荻田「モチベーションが続かないってのは、大してやりたくもないことだからでは? やってる事の意味とか意義とかをやる前から考える人は、損な性格だなと思います。すべての事に意味なんて無く、意味付けるのは自分の考えひとつ」


※南極お悩み相談
荻田氏のTwitter( @ogitayasunaga )をフォローして、「#南極お悩み相談」をつけて相談を投稿すると、荻田氏が相談に答えてくれるかも! 相談内容は日本の事務局から荻田氏に伝えられるぞ。南極大陸を歩き続ける荻田氏に、何でも相談してみよう!

協力:荻田泰永南極遠征事務局
Photo:荻田泰永, used with permission.
執筆:佐藤英典
★こちらもどうぞ → 荻田氏の「南極冒険

▼この日の移動距離は、ついに20kmを越えた。この調子でさらに距離を伸ばして欲しい