本日2020年11月19日、俺たちの「かつや」にて15万食限定の新商品『どっさりベーコンとチキンカツの合い盛り』が発売された……のだが、ここでハッキリさせておこう。ベーコン、いるか? ベーコン単体でご飯がめっちゃ進むことってあるか? 私(あひるねこ)は無ぇと思っている。

いや、ベーコン自体は好きだし、ベーコンを使った料理も大好きだ。が、素ベーコンを白米に乗っけて喜んでいいのは、日本広しといえども『ちびまる子』の小杉くらいではないか。もしかすると今回の新メニューは、「かつや」史上屈指の問題作かもしれない……。

・かつや新商品

それではさっそく注文しよう。合い盛りには丼(税抜590円)と定食(税抜690円)、単品(税抜490円)の3パターンが用意されており、今回私が頼んだのは丼である。ここまではいつも通り……と思いきや、お茶をすすって待っていると、厨房から何やら朝みたいな香りが漂ってきた。



このベーコンを焼く匂い……完全に朝の実家の台所である。それかビジホの朝食会場。いずれにせよ、「かつや」らしからぬ気配が店内を包んだ。そしてついに……


問題作、登場。


・密です

『どっさりベーコンとチキンカツの合い盛り丼』という名前の通り、丼内では大量のベーコンがチキンカツと同等の存在感を遺憾なく発揮している。そしてその脇を千切りキャベツとマヨネーズが固め、上から見ると隙間なくギチギチのまさに “密” 状態だ。これには小池都知事も苦言必至。



それにしてもこのベーコン……臆面もなくベーコンである。ここをベーコンエッグか何かと勘違いしているのではないか? お前もっと周りを見てみろよ。8割方カラッと揚げられてるんだぞ! いや、まあウマいけども。



ブラックペッパーのピリッとした刺激によって、思った以上に肉の甘みが引き立つベーコン。量も偽りなくたっぷりで申し分ない……が、それでもやはり単体でご飯に合うか? という点に関しては、個人的には保留しないといけないように思う。本当にシンプルな素ベーコンだし、私は小杉ではないのである。



とそこへ! 救世主の如く現れたのがチキンカツだった。結論から言うと、ご飯のおかずという役割の多くを2枚のチキンカツが担ってくれたおかげで、ベーコンがご飯の制約から解き放たれ、自由に飛翔し始めたのだ。ベーコン・キャン・フライ(揚げ物ではないが)。なんという胸アツ展開。



・覚醒

実はチキンカツは「かつや」の期間限定メニューに度々登場している。しかし、大体がバーター出演みたいな形でいまいちパッとしないことが多かった。全然楽しそうじゃないのに無理やり2次会に連れて来られた的な、「本当に来たかったん?」的な役回りのキャラだったはず。しかし! 今日のチキンカツは一味違う(味もたまり醤油)。



軽いノリで丼という名の戦場に飛び込んできてしまったベーコンを優しく見守り、時にはその盾にならんとするこの豊かな包容力はどうだ? 「後輩は俺が守る。ご飯の相手は任せろ!」とでも言いたげではないか。成長したなお前……! ならば可能かもしれない。



ベーコンでチキンカツを巻いたり……


それをマヨにドボンしたりすることも……!!


・圧倒的自由

本来なら即ブチギレ案件でも、今のベーコンとチキンカツの関係性ならどこまでも行けるだろう。また、これによりベーコンの汎用性が本格的に開花。隣にいるキャベツを巻くというヘルシーな食べ方も生み出された。そう、ヤバイ新入社員が入ってきたと思ったら、意外にコミュ力高くて有能だったパターンである。これはカワイイ後輩。



ベーコンの存在ばかりに目が行ってしまいがちだが、この丼を真に支えているのは他ならぬチキンカツであり、ベーコンはそれに彩りと華を添える役割を果たしていたのだ。ベーコンだけでは決して成立しない。チキンカツの存在こそが、ベーコンにとっても丼にとっても必要不可欠だったと言えるのではないか。



「かつや」史上屈指の問題作かと思われた『どっさりベーコンとチキンカツの合い盛り丼』。もしかするとこれは、チキンカツとベーコンによる ある種の愛の物語だったのかもしれない(合い盛りだけに)。言うまでもないが、小杉ならずとも必食である。

参考リンク:かつや
Report:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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