東京生まれ、千葉県育ちのワシはいつも思うことがあんねん。なんのことかっちゅーと、2019年12月22日のことや。ほら、M-1グランプリがあったやろ? ミルクボーイがコンフレークネタと最中ネタで優勝をかっさらった大会や。めっさオモロかったよな!?

んでな、翌日会社に行ったらいつもは物静かな大阪出身の中澤星児が、やたら饒舌になっとんねん。そういや、中澤に限らずM-1からしばらくは大阪出身者がやたら熱いことあらへんか? やっぱり漫才には大阪魂を揺り動かす何かがあるんやろか……。

・異常な漫才熱

ド下手な関西弁はここまでにしておいて、私(P.K.サンジュン)がかねてから抱いていた疑問を整理しておこう。ズバリ「なぜM-1直後に関西人(特に大阪人)はやたら饒舌になるのか?」である。

というのも、キングオブコントやR-1グランプリにはそこまで興味を示さない関西人が、ことM-1グランプリに関してはとんでもない熱を帯びたトークを炸裂させる……気がする。あなたもそんな経験をしたことはないだろうか?

・中澤が語っていたこと

当編集部の中澤星児は、14年前に大阪から上京してきた。大阪生まれ大阪育ちであるものの、普段はどちらかというと物静かな性格の中澤。だがしかし、M-1翌日の今日はほとばしるパッションを抑えきれぬかのようにマシンガントークを炸裂させていたのだ。


「僕はね、審査員の方に目が行っちゃいましたよね。やっぱり上沼恵美子とオール巨人は審査員の良心だと思うんです。これまで2人は会場ウケよりも、純粋に漫才のウマさで点を付けてましたから。ただ今回はやや傾向が違いましたね。そこが驚きでした」

「僕的には見取り図が良かったですね。見取り図は漫才の “型” の中で新しいことにチャレンジしてるのがよくわかりました。ミルクボーイとかまいたちも綺麗な型の中で勝負してましたね。逆にすゑひろがりずはかなり型を壊して来てました。僕は好きですが」

「今回良かったのは、想定してたストーリーを超えていったことじゃないですかね? ほら、和牛が敗者復活で勝ち上がったとき、和牛が優勝するストーリーが見えたじゃないですか。でも、その後に出てきたコンビたちがどんどん和牛を超える漫才を披露して……そこが良かったです」


・漫才に熱くなる理由

……ど、どうした中澤。いつもは口数が少ないのに、M-1翌日に限ってはメチャメチャ喋るじゃないか。そこで中澤に「大阪人がM-1翌日に饒舌になる理由」を訊ねてみたところ、納得の答えを聞かせてくれた。


「大阪では土日の昼間はテレビで漫才やってて、それを見るのがあたり前ですからね。僕なんて全然お笑い好きでもなければ詳しくもないんですけど、もしかしたらそういう風土があるのかもしれません。特に漫才に関しては

というのも、大阪ではいくら売れててフリートークが上手くても、やっぱり漫才が上手い人が1番尊敬されるんです。コントよりも漫談よりも、やっぱり漫才なんですね。そっかー、そんなに喋ってたか……僕……」


そう話すと、またいつもの物静かな中澤に戻ってしまった。いや、いんだよ星児くん! 俺は「入り方がスムーズ」とか「型がキレイ」とかわからないもん!! 星児くんの話を聞いて勉強になってるよ! むしろその知識を誇るべき!! マジでスゴイことなんだから!

情報を統合すると「大阪では漫才が上手い人が最も尊敬され、また見る方の目も肥えているため、国内最高峰のM-1グランプリ直後はどうしても熱くなる」といったところだろうか。今回のM-1は私ですら誰かに話したくなる感動があったから、大阪出身者ならば尚更だったのかもしれない。

参考リンク:M-1グランプリ公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.