公共マナーなどの普遍的なテーマから、認知症などの社会性を反映したテーマ、さらにはグローバルな福祉問題に至るまで広くメッセージを発信し続ける、公益社団法人ACジャパン。おそらくテレビや新聞を通し、ACジャパンの広告作品を目にする機会も多いことだろう。

中には過去に前園真聖さんが出演した「いじめ、カッコ悪い」など、伝説的な広告作品を世に送り出してきたACジャパンだが、現在公開中のあるポスターが話題になっているのでお伝えしたい。

・算数の問題だが……

インターネットを中心に話題になっているのは、子ども支援の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」の広告作品である。ACジャパンは「セーブ・ザ・チルドレン」の支援団体の1つであり、各種メディアや公共交通機関に同広告作品は掲出されている。

さて、なぜ話題になっているかと言えばズバリ「難しすぎるから」だ。この作品はテキストによるクイズ形式になっており、一見簡単そうに見えてかなり難易度が高い問題である。もちろん個人差はあるだろうが、あなたは即答できるだろうか?


「サラさんは、起きている時間の半分で家の手伝いを、残りの時間の2 / 3で妹の世話をします。6時間寝たとき、何時間勉強できますか? 学校へは歩いて往復3時間かかるものとします」


ジャンル的には算数だから、そこまで難しい問題ではないのかもしれない。ただネット上では「3時間?」「6時間?」「普通にわからない」……などの声が挙がっているから、数字が苦手な人は落ち着いて計算しないと答えを導き出すのは難しそうだ。

・気になる答えは……

ちなみに答えは「0」となる。24時間から睡眠時間を引いて18時間。そのうちの半分は手伝いをして9時間。9時間のうち2 / 3は妹の面倒を見て残り3時間。そして3時間往復して学校へ通うので「0」となる計算だ。つまりサラさんが勉強できる時間は0時間なのである。

実際問題として、世界では6歳から17歳の子供の6人に1人にあたる2億6300万人が学校に通えていないという。それには貧困や紛争、さらには「女の子だから」などの理由があるというが、詳しくはACジャパン「セーブ・ザ・チルドレン」のページを確認して欲しい。

やや難解な算数の問題から入り、そして最終的には国際的な福祉問題に落とし込む当たり、さすがACジャパンである。「セーブ・ザ・チルドレン」では寄付も募っているから、興味がある人はぜひチェックしてみてはいかがだろうか?

参照元:ACジャパン「セーブ・ザ・チルドレン」
イラスト:ACジャパン ,used with permission.
執筆:P.K.サンジュン

▼む、難しい……苦手だ。