フランスの首都パリを代表する観光名所といえば「エッフェル塔」だが、佐賀県神埼(かんざき)市を代表する観光名所もまた「エッフェル塔」だ。1889年のパリ万博の目玉として建てられたのが前者で、有限会社馬場ボデーの社長が暇つぶしで作ったとされるのが後者である。

そしてどうやら、本家パリで “幻となった改造計画” を実現させたのが「佐賀のエッフェル塔」らしい。なんというか、だんだん本家よりも、馬場ボデーのエッフェル塔の方が気になってきたんですけど……というわけで、佐賀県へ向かうことにした。

・佐賀のエッフェル塔へ

佐賀のエッフェル塔は、JR佐賀駅から車で15分ほどの場所にある。のどかな田園風景が続く県道48号を走っていると、空高くそびえ立つ鉄塔が見えてくるだろう。存在感は本家を超えるレベル。佐賀平野とエッフェル塔、激しすぎるギャップがたまらない。

そんなタワーを作ってしまったのが、馬場ボデーの馬場憲治社長だ。フランス旅行で目にしたエッフェル塔の「高い技術力」と「デザインの美しさ」に衝撃を受け……作ってみようと決意したらしい。んで、仕事の合間に板金塗装の技術でコツコツ作り上げたのだとか。マジかよ。

・現在の塔は2代目

ちなみに現在の塔は2代目で、初代は工場移転時に解体したそうだ。初代は5年、2代目は7年半かけて完成させたという。高さは23mで、パリの約14分の1サイズだが、佐賀平野では十分に “タワー” である。

・改造計画を実現

そして特徴的なのが、両翼の小さな2塔。パリのエッフェル塔には存在しない部分だが、聞けば「実現されなかった改造計画の設計図を見て付け足した」とのこと。その後もちょこちょこ修正を加えているそうだ。2024年のパリオリンピック仕様に看板も取り付けられていたぞ。

また、パリのエッフェル塔には、街並みに合うようにブレンドされた「エッフェルタワー・ブラウン」と呼ばれる特製ペンキが塗られている。佐賀のエッフェル塔もとても上品なブラウン色。本家とも張り合える美しい「馬場タワー・ブラウン」であった。マジで見事。

・もっと有名になってほしい

花の都パリのシンボルであるエッフェル塔は、年間来場者数が平均700万人なんて言われている。それだけ見応えのある歴史的建造物に “限りなく近いタワー” が佐賀県にも存在するということは、もっともっと知られてもいいはずだ。佐賀観光の際には、馬場ボデーの最高傑作も見逃さないように!

・今回ご紹介したスポットの詳細データ

名称 佐賀のエッフェル塔
住所 佐賀県神埼市神埼町尾崎312

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼ハシゴを使えば最上部まで登頂することも可能らしい

▼写真撮影歓迎だ

▼パリ気分でぜひ!

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