何事もやり続けるには、大変な努力がいる。会社でもお店でも10年で9割が潰れると言われるなかで、芸人ともなれば、生き残るのは至難のわざ。その過酷さを物語るようなつぶやきに、涙腺がゆるむ人続出!

お笑いコンビ「ジョイマン」の高木晋哉さんの投稿だ。その内容を見ると……たしかに悲しい! これはまるで平成版の『一杯のかけそば』やないか~(涙)

・「ジョイマン」高木晋哉さんのツイート

『いま手持ち少ないからこんな店ですまんな』そう言ってムーディ勝山さんは一尾しかない自分の天丼の海老を僕の蕎麦の上に乗せた。店内の誰も僕達には気付いていない。そう、全ては遠い過去になっていく。しかし未来に何があろうと、僕はこの蕎麦の上に乗る居心地の悪そうな海老を絶対忘れないだろう」

・2人のやり取りが目に浮かぶ

恐らく、高木さんは勝山さんとそば屋にでも行ったのだろう。そこで勝山さんは高木さんにご馳走したかったに違いない。だが、勝山さんは所持金が少なく、天丼の海老を分けてあげることしかできなかった。

芸人として売れたのはすでに過去の話。今では、2人がお店にいても、誰も気づくことはない。そんななかで、おもむろに勝山さんが丼から海老をつまみあげて、高木さんの丼に移す様子が目に浮かぶようだ。

ああ! 勝山さんの胸中を察して余りある。きっと「今日は俺が出してやるよ」みたいなカッコイイことを言いたかったに違いない。海老1本を分け与えるのが精いっぱいだなんて。売れてる時には、そんな日が来るとはきっと思わなかっただろうに……(涙)。

・文章ウマいのでは?

それにしても、高木さんのつぶやきはとても秀逸だ。文章に味があり、短い内容なのに的確に情景を浮かべることができる。過去の投稿もこの通り。

「今日は埼玉にて胸毛を配布。世界中の人間が全員敵に見えてしまうような孤独な夜や、あなたという存在を雑巾みたいにきつく絞られて涙すら出ないような渇いた夜、そんな夜に僕の胸毛をそっと手のひらに乗せてみて欲しい。耳を傾けてみて欲しい。きっと声が聴こえるはず…『Take it easy.』」

「営業の司会の方「ジョイマン知ってる人いますか?…いないですね。さあ出て来てもらいましょう!ジョイマン!」東京へ向かう新幹線の車窓から、満月に近い月が見えている。月は僕を照らすのを躊躇している。僕は月に言う「No problem.」さあ明日も行こう。ジョイマンを忘れてしまった街へ。」

もしかしたら、Twitter文学の才能があるのでは? 今後はこの路線で売っていくのだろうか。とにかく、彼らのこれからが明るいことを願うばかり。腹いっぱい海老天が食べられるその日がくるまで、Go for It!

参照元:Twitter @joymanjoyman
執筆:佐藤英典

▼侘しさが漂っている方が、なぜか面白く感じてしまうのだが……