男には猛烈に肉を食べたくなる時がある。牛だ豚だとかまってられねえ。そんな気分の時が。私(中澤)にとってそれは今だった。

何を差し置いても肉が欲しい! そう思いながら新宿三丁目を歩いていると「肉そば」という暖簾が目に留まった。しかしこの店は……

・そば屋に見えない

店の壁に丸みのある字体で書かれた『SOBA-JU』という文字。それを照らす間接照明。ハッキリ言ってそば屋に見えない。「肉そば」という暖簾がなければ、隠れ家的なバーと言われても信じられるお洒落さだ。

というか、店外のメニューを見ると、実際バー営業も行っているようである。ワインやおつまみの充実度からしてバーとしてもガチなのが伝わってきた。

・バーなのかそば屋なのか

入店してみると、まず目に飛び込んでくるのはカウンターの奥に並ぶグラスと酒瓶。内装は完全に新宿的なカウンターバーなのだが、その隅に肉そばと豚ラーメンが共存する券売機があった。バーなのかそば屋なのか、それとも、ひょっとしてラーメン屋なのか。不思議なバランスである。

価格帯は牛、豚、鴨の各肉そば小(150g)中(200g)が一番安くて850円、大(300g)が900円だ。さらに、ちょっと高めに『全盛り』というメニューがあるが、こちらは小と中が1150円で大が1200円となっている。肉への渇望からか、なんとなく『全盛り』の中を注文してみたところ……

バッキバキにパワー系のヤツが来た。ただ肉が入ってるだけでなく、豚肉なんて塊ゴロッゴロのハードパンチャー。食べてみると、ラー脂の入った濃厚なつけダレとそばのガシガシした食感がボリューム満点だ。

バリバリの港屋インスパイア系のつけ蕎麦である。ただ味が強いだけではなく、薬味、調味料、卵(1個無料)、天かすなどで何度も味変できるところも飽きなくて良い。1150円は決して高くないコスパだと思う。

・その正体は

しかし、知らなかった。職場近くにこんなそば屋がオープンしていたなんて。そこで店員さんに伺ったところ、「マルゴ」というワインバーのグループ会社とのこと。

昼(11時30分~15時)はボリューム満点のパワーランチ、夜(17時~23時)はワインなどお酒と楽しめるソババルというコンセプトで、オープンしたのは1年くらい前。しかし、緊急事態宣言などもあり休業していた期間もあったのだとか。現在は時短要請に伴い12時~15時のランチ営業のみになっているという。

やたらとバーオーラが強いのはそのためか。しかし、そばもバーの小料理では終わらない味。その証拠に、昼時は老若男女さまざまな客が来店していた。

立ち食いそばの名店がじわじわ閉店しつつある新宿。『SOBA-JU』は新たなそば処となるか? 閉まっている店も多い今日この頃、新宿三丁目近辺でランチを食べる時はオススメしたい。

・今回紹介した店舗の情報

店名 ソバージュ(SOBA-JU)
住所 東京都新宿区新宿3-10-1
営業時間 12時~15時 / 17時~24時(2021年2月24日現在は12時~15時のランチ営業のみ)
定休日 日、月

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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