楽しみにしていたお店に出かけてみたのに、予想外の休みに出くわすことがある。遠方から訪れた場合は、本当にガッカリだ。事前に知らせてくれれば。せめて、TwitterとかFacebookで告知してくれればいいけど、そのどちらもやっていないお店も少なくない。

店の入り口に貼り紙があり、何か事情があることを察することはできる。しかし、飲食店に勤めた経験のある私(佐藤)は、きっと別の理由があったに違いないと考えてしまうのだ。急な休みには、実は客が知らない秘密が隠されていることがある……。

・急に休みたくなった?

店を休むことが決まったのは、たしかに突発的な場合が多い。事情はいろいろあると思うが、私が勤めていたお店の場合は、店主の気まぐれで急に休みになるケースが多かった。店主だけでなく、スタッフ一同も休みたくなったということもある。そんな時に使われる言い訳は、おおむね以下の3つだ。

・「社員研修のため休みます」

これは街でよく見かける言葉だろう。どんな類の研修なのか、さっぱりわからないのだが、何か勉強する必要があるのか? そんな風に思う人もいるに違いない。だが、これは体のいい言い訳だ。そもそも研修をするだけの数、社員がいないお店もある

いやむしろ、スタッフは全員バイトで社員は、店主だけなんてことも珍しくないはずだ。これが言い訳として、もっとも多く使われる。

ちなみに予定していたスタッフが出勤せずに、仕方なくお店を休むということもある。そんな場合こそ、本当の研修(教育)が必要になるだろう。

・「設備メンテナンスのため休みます」

社員研修に比べると、この言い訳の方が、本当である確率がかなり高い。なぜなら、厨房機器は消耗品。修理が必要になったり、買い替えが必要だったり……。飲食店にとって冷蔵・冷凍庫・製氷機やフライヤーなどの故障は致命的である。営業できなくなるのも当然だ。だが、これもまた急に休みたくなった時によく使われる言い訳のひとつだ。

・「勝手ながらお休みします」

これが一番正直。言葉の通りだ。勝手ではあるが、むしろ清々しささえ覚える。

以上、よく使われる言い訳だ。急な休みの背景にはこのようなことがあるかもしれない。とはいえ、本当に研修をしていたりメンテナンスをしていることもあるので、お店を訪ねる前に、一度電話をした方がいいだろう。

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24