春の実績馬か、夏の上り馬か。そして有力馬の本気度合いは──。色々考えなければいけない前哨戦は、いつになっても難しい。

今週末の3連休は阪神競馬場で秋華賞トライアルのローズステークス、中山競馬場で菊花賞トライアルのセントライト記念が行われる。場合によっては本番より難しいかもしれない前哨戦、じっくり頭を悩ませていきましょう……。

・モアナアネラ、親子制覇なるか

日曜阪神のメインは、芝1800m(外回り)で行われる3歳牝馬限定の重賞・ローズステークス。3着以内の馬にG1・秋華賞への優先出走権が与えられる。

春に活躍した馬と、夏に力を付けた馬の力関係をどう見るか。これがポイントといっていいだろう。当然ながら穴が出るのは後者が勝つケースで、2015年には前走500万勝ちのタッチングスピーチが7番人気で1着、2017年には同じく前走500万勝ちのラビットランが8番人気で1着と穴を開けている。

このパターンで一儲けを目論む筆者の本命は、⑤モアナアネラ。初勝利まで時間が掛かり春のクラシックには参加できなかったものの、ここ3戦で2勝と徐々に軌道に乗り始めている。2012年に同レースを勝利したジェンティルドンナを母に持つため、適性は間違いなくありそうだ。

デビューから順調に馬体重が増えておらずデリケートな一面もありそうだが、血統的なポテンシャルは高いだけに、今回馬体をボリュームアップして出走してくるようなら狙い目に浮上する。そこそこ脚質に融通が利く点も魅力。

また、所属する石坂正厩舎は近10年で当レース3勝(2012年ジェンティルドンナ、2015年タッチングスピーチ、2016年シンハライト)というのも好材料だ。馬券は馬連で勝負。⑤モアナアネラを軸にして、相手は④⑦⑧⑪。

・メイショウテンゲン、雨なら怖さ倍増

月曜中山のメインは、芝2200m(外回り)で行われる3歳限定の重賞・セントライト記念。3着以内の馬にG1・菊花賞への優先出走権が与えられる。

ハードルを下げるようで申し訳ないが今年は難しそう。18頭とフルゲートなうえ、春のG1を沸かせたサートゥルナーリアやヴェロックスなどが神戸新聞杯に回りそうで、絶対的な本命馬が不在。

加えて馬場の傾向が読みづらい点も難しいところ。先週の紫苑ステークスと京成杯オータムハンデの結果を見る限り、今の中山は前残り馬場。しかし今週末の中山は空模様が怪しく、土日の2日間を使った後ということも考えると、多少傾向が変わってくる可能性もありそう。

どうせ難しいなら……ということで、こちらも穴馬から狙ってみたい。本命はメイショウテンゲン。弥生賞では重馬場を苦にせず力強く伸びて勝利。雨が降るなら怖さの増す1頭だ。

皐月賞とダービーでは大敗を喫したが、デビューから休養無しで使われ続けての挑戦。ローテーション的に厳しい面もあっただろう。メイショウベルーガを母に持つなど血統的なスケールも大きく、仕切り直しの1戦で巻き返しがあってもいい。

馬券はワイドで勝負。メイショウテンゲンを軸にして、相手はエターナルヴィテス、エングレーバー、オセアグレイト、サトノラディウス、サトノルークス、ランフォザローゼス(本稿執筆時点で馬番は未発表)。


本番はあくまでG1でも、馬券的には魅力たっぷりのトライアル戦。うまく予想すれば高配当も夢ではなさそうだ。今週末から始まる3連休は、ぜひ競馬場に出かけて万馬券を狙ってみよう!

・【追記(結果)2019年9月17日10:00更新】

ローズステークスはダノンファンタジー → ビーチサンバ → ウィクトーリア。セントライト記念はリオンリオン → サトノルークス → ザダルという結果でした。

参照元:JRA公式サイト
予想・執筆:グレート室町
Photo:RocketNews24.