海外旅行に出かけた際、市場やスーパーマーケットを覗くと見知らぬ野菜や果物が意外と多いことに気付かされる。「これはアレの仲間だな」とわかるものもあれば「どう食べるんだ?」と予測不能なものまであるから世界は本当に広い。

さて、今回ご紹介するのは日本では滅多に見かけない珍野菜『クマト』である。私、P.K.サンジュンはコストコで『クマト』を発見したのだが、みなさんはクマトの正体がおわかりになるだろうか?

・クマトとは

さて、出だしから『クマト』の正体を明かしてしまおう。クマトとはトマトの一種のこと。見た目は茶色いような青いようなドス黒いような……? 少なくとも我々が想像する真っ赤なトマトではない。

日本ではその存在がかなり珍しいだけに、ネット検索しても『クマト』に関する情報はかなり少なく、それこそコストコで購入したクマトのレビュー記事にヒットするケースがほとんどだ。

・アメリカの友達に聞いてみた

なのでパッケージと店頭情報だけを手掛かりに調べてみたところ、コストコのクマトはカナダの農産会社「MASTRONARDI PRODUCE」の商品と判明した。だがしかし、英語がわからない私の調査はここで断念。あとはアメリカ在住の知人(主婦)に頼るしかない。

で、単刀直入に「クマトって知ってる?」と聞いてみたところ、以下のように教えてくれた。


「クマトってトマトでしょ? 10年くらい前からスーパーで見かけるようになったね。アメリカのトマトって味が薄くて酸味が強めのぼーっとした味が多いんだけど、クマトは酸味と甘味のバランスが良くて味が濃いトマトだと思うよ。

ちょっといいスーパーなら必ず置いてあるから、日本でいうところの “桃太郎” みたいなブランドか品種なんじゃないかな? ただ、私が通ってるシアトルのコストコでは見かけたことないなぁ」


持つべきものは友──。ついでにチョロッと『クマト』について調べてもらったところ「スペインで開発された特許取得済みの品種」「特許を取得しているため選ばれた生産者にのみ種を渡すので、一般にタネが出回ることはない」……と、英語版のWikipediaに書いてあったそうだ。


で、で、で。


一通り『クマト』の情報が明らかになったところで、コストコの『クマト』について。価格は12個入りで848円、パッケージには908グラムと記載されていた。そしてどう考えても食べ頃には程遠い青々としたビジュアルだ。

とはいえ店頭にあった説明によると、真っ赤に見えなくても美味しく食べられるとのこと。その言葉を信じてカットしてみたところ、なるほど、切ってしまえば青さはほとんど感じない至って普通のトマトである。

・いざ実食

で、実際に食べてみたところ、ハッキリ言って悪くない。「これまで食べたトマトで最高!」などとは言わないが、甘みとほのかな酸味のバランスが程よい美味しいトマトと言っていいだろう。

特徴は2つで「シャキっとした食感」と「ドロッとした部分の少なさ」だ。逆にみずみずしさに関してはそれほどでもなかったため「サンドイッチ」などには向いているトマトかもしれない。

トータル的には「硬めで美味しいトマト」といった感じになるが、甘みに関してはフルーツトマトなどと比較してはダメだ。甘み自体はあるものの、フルーツトマトほどの飛び抜けた甘さではないことは記述しておく。

もう1点、クマトを購入した時期、天候の影響でたまたまトマトを含む野菜全般がバカ高かった。その点、クマトは値段が安定しているので、タイミングによってはかなりお財布に優しいトマトではないだろうか?

というわけで、日本ではほとんど知られていない珍野菜『クマト』は、様々な意味で安定感のあるトマトであった。茶色いような青いようなドス黒いような見た目だが、必要以上にビビる必要はないぞ。


オススメ度(☆5中): ☆☆☆☆(全然悪くない。美味しくてコスパの良いトマト)
また買う度(☆5中): ☆☆☆☆(また買う。タイミングによっては超コスパ)
オススメシチュエーション: 小ぶりなトマトなので意外と早く消費できる。特にサンドイッチにはいいかも。

参照元:コストコ公式サイトWikipedia(英語)
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.