2020年2月21日から、ドン・キホーテがプライベートブランド「情熱価格プラス」から骨伝導ワイヤレスイヤホン「JOGBONE」を発売した。お値段は5980円で、一部を除く全国のドン・キホーテ系列店で購入することができる。

骨伝導にワイヤレスで約6000円とはお手頃感がある。しかしメーカーはドンキ。ゼンハイザーやAKGみたいな音響機器メーカーでも、ソニーのような家電メーカーでもなく、あのディスカウントストアのドンキ。失礼を承知でぶっちゃけるが、「人柱待ち」したくなる商品というのが正直なところじゃなかろうか。

・相応な感じ

ということで、人柱になってきたわけである。細かいところは後述していくが、先に総評をお伝えしておこう。音漏れが全く気にならず、Amazonなどにほぼ同じようなスペックの骨伝導ワイヤレスイヤホンが他にもあることを承知の上で選ぶなら、納得できるのでは……という感じ。

いささか歯切れの悪い評価で申し訳ない。記事的には神クオリティか大爆死かの2択だと盛り上がるのだが、そのどちらでもなかった。詳しくはこの先を読んでいただきたい。

・MEGAドンキに売ってた

店舗によって扱いの有無があるそうだが、MEGAドンキ渋谷本店にて普通にゲット。税込みで6580円。箱にはスペックが書かれている。それによると

・連続再生時間は最大約6時間
・充電時間は約2時間
・マイク内蔵
・防水防塵IP55
・USB充電(本体側はmicro USB)
・Bluetooth 5.0対応
・約34グラム


内容物はシンプルに、本体、取扱説明書、そして約51センチの充電用USBケーブルのみ。

外見は普通にプラスチックの黒と灰色。高級感はないが、特別チープというわけでもない感じ。左右のこめかみに当たる部分の外側はボタンになっている。電源のON/OFFや音量調節、再生や停止など全てこの2つのボタンで行う


本体右側にあるUSB差込口はそこそこしっかりとシーリングされている。少なくとも雨に濡れる程度で浸水することは無さそう。ただし、IP55なので水没は駄目なのだろう。


・使ってみる

外見についてはこのくらいにして、使用感について述べていこう。ぶっちゃけこいつの正体はほぼ小型スピーカー。例えば電車のシートくらいの距離感なら、自分に聞こえている音は隣にも聞こえていると思う。静かなオフィスや公共交通機関での使用には不向き

屋外であれば多少音漏れしていても環境音にかき消されるだろう。ジョギングや散歩中での使用なら構わないのではないかと思う。耳の上にかける形になるが、眼鏡との干渉はそんなに気にならない

Bluetooth接続は中々安定している。ただし遅延がコンマ何秒かある。映画やアニメの視聴だと気にならないほどわずかなものだ。しかし、例えばリズムゲームをプレイすると、画面でのタップ時のエフェクトとイヤホンから聞こえるタップ音のズレで遅延がはっきりわかる。

音質は値段相応だが、同価格帯のカナル型などと比べたらやや劣る感じ。そこは骨伝導ということを考慮してあげたいところ。耳の横で小さいスピーカーを鳴らしているようなものなので。


・操作感が微妙

ここまでは、ぶっちゃけ価格的にも骨伝導という仕組み的にも相応……という気がしなくもない。ただ一つ明確な不満をあげるとすれば、操作感だ。左右に一つずつある大きなボタンであらゆる操作を行うわけだが、これがよくない。

特に音量の上げ下げがとてもやりにくい。右を2回押すと音量アップ。左を2回押すと音量ダウンという仕様で、一気に上げたり下げたりすることはできないのだ。イラっとして連打してみたが無意味だった。

しかも、通信状況によっては2回押しても1回にカウントされて、再生が停止したりする。その他の操作もぶっちゃけやり易いとは言えないと思う。個人的に、イヤホン側からの操作は実質無いようなものかなって

マイクの性能については、相手にどう聞こえているのか分からないが……少なくともマイク経由でGoogle アシスタントは正確に反応した。こちらの言っていることが相手にちゃんと伝わるのは確かだろう。


・使用中の充電は

最後に1つ。使用中に充電はできるのか……という点について。取り扱い説明書にはこの点に関する記述が無かったように思うので、これからお伝えする内容は推奨されるものではないかもしれない。

まず、イヤホン側のUSB差込口にUSBケーブルを差し込んで充電を開始すると、イヤホンの電源は自動的にオフになってしまう。が、その状態でオンにすると、普通に使うことができる

試しにイヤホン側のバッテリー残量が80%の状態で、コンセントから充電しつつペアリングしなおすと、バッテリー残量の表示は100%になった。そこから1時間ほど再生しっぱなしで放置したのち、充電していたケーブルを抜いてペアリングしてみると、バッテリー残量は100%のままだった。

普通に考えれば充電しながらの使用も可能に思えるが、説明書に書かれていない以上は推測の域を出ない。どう判断するかはあなた次第。また、真似して何が起きても自己責任でお願いしたい。

ということで音漏れと、イマイチな操作感と、値段相応の音質。そしてリズムゲームなどだとやや気になるが、動画だと気にならない程度の遅延。さらには、ぶっちゃけ同じようなクオリティのものが同価格帯でそれなりにある……という諸々をわかった上でなら、まあいいんじゃないかなという感じ。

軽いジョギングやウォーキング用に、防水で周囲の音を邪魔しない手ごろで可もなく不可もないイヤホンが欲しかった人にとっては、ちょうど良いガジェットなのではないかと。

参照元:ドン・キホーテ(PDF)
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼ロケットニュース24の歌をイヤホンから流してみた様子。スマホから鳴ってるように見えなくもないけど、これイヤホンからなんですよ。ほぼスピーカーとはこういうこと。ちなみに装着時に丁度いい音量は、スマホの音量バー的に下から3分の1程度~真ん中辺りまで。カメラのマイクじゃ拾えなかったけど、そばにいるとシャカシャカ聞こえる。1分19秒辺りで連打してるのはイラっとしたから。

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