こんにちは、佐藤です。賢明な読者の皆さんであればおわかり頂ける通り、私は並みのオッサン。いや、 “中の下” くらいのオッサンである。そう自負している。人生40年も生きていれば、自分の価値くらいはわかるものだ。自分が特別な存在ではないことくらい重々承知している。

さて、そんな私でも、時々「会いたい」と言って頂ける方がいる。有難いことだ。しかもその多くは外国人であることが多いから驚く。最近またしても、オーストラリア在住の大学生から、「日本に来た時にぜひとも会いたい」というメッセージが届いた。その人物は私のことを、ビックリするくらい高く評価してくれていたのだ。マジかよ!

・外国人のお客さん、2度の訪問

振り返れば、2016年11月にはハワイから観光で来日したご夫婦と会うことになった。彼らとは今でも交流があり、来日する度に連絡を頂くので、時間が合えば食事に行く仲になった。


2017年12月には、早稲田大学に通うシンガポールからの留学生が私を訪ねてきた。意外にもシンガポールでは、当サイトの英語版(SoraNews24)は認知度が高いらしく、訪ねてきた彼女は私を「アイドルのような存在」と言ってくれたのである。


当サイトの仕事に携わって間もなく10年。そのほとんどの時間が、ボロクソに言われる日々だった……。なぜだかよくわからないのだが、どうやら私は人を怒らせてしまうナニかがあるらしい。そんな私でも、意外なところで支持されていると思うと、何だかボロクソに言われてきた日々も報われる……。ありがたや~。

・驚嘆すべき一文

そして今回頂いた問い合わせには、私自身も驚嘆する一文が添えられていた。その内容は……


「特に佐藤記者さん(すなわち山科英典)の記事が気に入っており、将来ジャーナリストになりたい自分にとって尊敬する人物です


ウソ~ん。正直いって、尊敬に値する人物ではないと思うぞ、ぶっちゃけ。だって……。


パンチパーマでイキってみたり……


大統領みたいにして、アメリカの有力紙「ワシントンポスト」に取り上げられたり……


巨大なロゴマグを持ってスタバに行ったら、なぜかアメリカの大手メディアに取材されたり……


ZOZOスーツを着てスタバに行ったり、GUの斬新なデザインのパンツでスタバに行ったり、ダンボールを着てスタバに行ったり……。事実! 私はただのスタバに行くオジサンに過ぎないのである。


そんな私を “尊敬” するとは。もったいないお言葉……。


・オーストラリアからの訪問

とにかく日本にいらっしゃるということなので、時間を合わせてお会いすることになった。そこで私はまたしても衝撃を受ける。こんなスタバに行くだけのオジサンに会いに来たのは……


めちゃくちゃ可愛らしい子だった……。

オーストラリアの大学生エリーさんは20歳。日本語堪能な彼女は、現在日本で就職活動を行っているそうだ。今から約5年前に友人の勧めで当サイトの英語版の存在を知り、現在は当サイトも見るようになったという。


なお、彼女のご両親は、彼女が生まれる前に日本で生活しており、帰国した後に彼女が誕生したそうだ。家には日本の民芸品などがあり、比較的近い距離に日本文化があったようである。


そんな可愛いエリーさんが尊敬するのが、私である。


ご両親の影響もさることながら、日本のアニメの影響も強く、特に幼い時から今に至るまで『セーラームーン』が好きなのだとか。そしてセーラームーンに関する情報も、当サイトでチェックしているという。


印象に残っている記事は、年始恒例の福袋特集や、「『美味しんぼ』の海原雄山が絶賛したコメの炊き方は本当にウマいのか? DangDang 気になってきたので試してみた / コメの大きさを一粒ずつそろえて炊く」を挙げてくれた。


・ジャーナリストになりたい

そんな彼女は、将来ジャーナリストになりたいという。大学院に行くべきか、それとも就職する道を選ぶか。日本での就職を望んでいるのだが、就職活動はなかなか厳しく、仮にどこかに就職したとしても、ジャーナリストの道に通じているとは限らない。


エリー 「どうしたらいいと思いますか?」


と尋ねる彼女に、私が言えることはそう多くなかった。なぜなら、『運だけで生きてきた男』だからである……。

運だけ頼りだった男が、人に語るべきノウハウなど何もなかった……。「この役立たずが!」と心のなかで叫んだのは言うまでもない。だが、1つだけ言えることはあった。


佐藤 「文章を書いて生きて行きたいと思うなら、書き続けた方がいい」


我ながらもっともらしい意見を言った。しかし冗談ではなく、ほかに道がない。仮にチャンスが来たとしても、それに応えるだけの自信がなければ、チャンスを逃すことになるだろう。正しいかどうかはわからなくても、とにかく自分なりの努力を積み重ねて、「自分なら出来る」という自信を持つことは大事だと思う。

つたないアドバイスではあったが、彼女は理解してくれたようだった。

・尊敬に値すること?

彼女に最後に1つだけ尋ねた。


佐藤 「自分は尊敬されるような人物ではないと思ってるんだけど、何か尊敬に値するところがありますか?」

エリー 「個性を出して仕事にしているところを尊敬しています。言葉を使って自分を出せるのはいいことだと思います」


──そう言われると、そうなのかな? と思わないでもない。少なくとも、彼女に自分の個性が伝わっているのであれば、それは良いことではないかな、と思った……。

・スタバに行くだけオジサンの終焉

彼女には十分なアドバイスをしてあげられなかったというのに、逆に私が励まされるような気持ちになってしまった。非常に申し訳ない! いずれもっと役に立てるように、スタバに行くだけのオジサンを卒業しなければと、私は強く心に誓ったのであった……。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24