筆者の地元は京都府だ。先日帰省をして、京都市最大の繁華街、四条河原町をふらついていた。なんとなく交差点にそびえ立つ高島屋が目に留まり、足の向くまま地下1階に降り立った。美味しそうな食べ物が所狭しと並ぶデパ地下の景色に魅せられ、「何か買って帰りたいな~」と購買欲を募らせていると、この商品と出会った。

京都老舗の漬物屋「京つけもの 西利」の『奈良漬クリームチーズ』だ。店員さんに勧められるまま試食をすると、たしかにうまい。そのうち片っ端から商品のフタを開け始め、試食を勧めてくる。この店員さん、いい人だ。

京都は世界的な観光地であるだけに、お土産の種類も山ほどある。いざ土産物店に入って、「え? どれ買おう?」と頭を悩ませる人が多い。八ツ橋や茶の華などは有名かつ鉄板だが、それ以外にも美味しいお土産はけっこうある。なんだかその1つを見つけたような気がして、3つほど購入して検証することにした。


・きゅうりのドレッシングがまろやかでめちゃうま

今回筆者が購入したのは、『奈良漬クリームチーズ 山椒』、『きゅうりの乳酸発酵ドレッシング』、『かぼちゃの乳酸発酵ポタージュ』の3つだ。

奈良漬が発酵食品であることは言わずもがな、ドレッシングやポタージュにも「ラブレ乳酸菌」が入っているようだ。昨今の乳酸菌ブームを思い出してしまう。個人的に、そこに魅力はそんなにないかな~。

やはり一番知りたいのは、美味しいかどうか。まずは奈良漬クリームチーズのふたを開けてみる。

奈良漬の独特の匂いが鼻孔を漂う。少し酸っぱいのはクリームチーズだろうか?

野菜やクラッカーにディップすると、ワインや日本酒のおつまみに合うという。よし、のちほど検証しよう。続いてふたを開けたのは、きゅうりのドレッシングだ。

お皿に垂らしてみると、なんとも言えない黄土色。ドレッシングの色としては珍しい。スプーンでなめてみると甘酸っぱい。きゅうりの風味がほのかに口に広がり、オリーブオイルのまろやかさとはちみつの甘さが柔らかいクッションになっている。最後にツンとするのはお酢の刺激だ。

角の取れたきゅうりのドレッシングとして成立している。これだけで何杯もすくって飲めちゃう。

いかん、さすがに完飲は体に悪い。ここからは実食しながら検証を進めよう。


・すべて京都の2カ所でしか販売されていない限定モノ

それぞれ実食するべくテーブルに並べてみると、ちょっとした朝食に見えてきた。まずは、かぼちゃのポタージュに手をつける。

かぼちゃらしい黄土色の液体をよく確認すると、繊維質がしっかり残っている。トロトロのスープを口に運ぶと、生のかぼちゃを飲んでいるようだ。甘み、風味、香りがダイレクトで舌に感じる。うまい。

思わず一気飲みしそうだ。温かいジュースみたい。

商品のパッケージはそのまま加熱できるよう便利にできている。うん、良い商品だ。それだけに「乳酸発酵」を推す必要はない気がする。

続いては奈良漬クリームチーズ。茶色に染められたクリームをクラッカーにディップして食べてみると、両者の良いとこ取りが楽しめた。奈良漬にはちょっとクセがある。そのクセをクリームチーズがまろやかにして、甘みと酸味の両立した味わいに笑顔がこぼれる。奈良漬のシャキシャキした歯ごたえもいい。最後にスッとする山椒がアクセントだ。これはワインが合いますね。晩酌したいですね。

きゅうりやにんじんにつけて食べても、やっぱりうまい。サラダじゃなくておやつ感覚だろうか。野菜の臭みが消えてポリポリいけてしまう。間食を止められない人が試してみるといいかも。

最後はサラダだ。きゅうりのドレッシングをたっぷりかけて食すと、驚いた。はちみつの甘みとオリーブオイルのまろやかさで青臭さが消えた。野菜の角を取る効果があるようだ。きゅうりのドレッシングなのに。

では肝心のきゅうりの存在は……いないけど、絶対にいる。あまり感じないけど、いなくなったら本当に困る。まるで音楽のベースやドラマの名脇役のような存在感。

どれも満足できるお味だった。京都の変わり種のお土産として購入していいかも。すべて老舗漬物屋「京つけもの 西利」が手がける純京都産で、京都駅西口2階南北自由通路(南側)の「酵房西利 亰(みやこ)店」と、高島屋京都店の地下一階「発酵生活 ブティック」の、2カ所でしか販売されていない限定モノだ。

京都を観光する予定があれば、ぜひお店に立ち寄ってもいいだろう。だって高島屋の店員さんはめちゃくちゃ試食させてくれたねんもん(決しておねだりしないように!)。

参照元:京つけもの 西利発酵生活
Report:いのうえゆきひろ
Photo:RocketNews24.

▼最後に筆者の母親に対するグチを言わせてほしい。ワインの写真が欲しかったので、母親に「ウチにワイングラスあったっけ?」と聞いた。

▼すると出てきたのが、お茶用グラス!

▼「やっぱないの?」と聞くと、「あんでー」と母親が意気揚々と手渡してきた。

▼Morozoffのプリンの容器だ。

▼これが筆者の実家である。