ポテトチップスが好きだ。許されるなら四六時中食べていたいほどに好きだ。もし仮に「一生ポテトチップスが食べられなくなる代わりに大富豪にしてやる」と悪魔が契約を持ちかけてきたとしても、自分は富よりポテトチップスを選ぶだろう。絶対とは言い切れないが。

ともあれ筆者を含め、全国津々浦々にポテチ狂いはあまねく存在していると思われる。そんなオイリーな情勢の中、つい先日、注目に値するアイテムが発売された。ポテチの「ながら食べ」に役立つ機能を備えているとのことらしいが、一体どんなブツなのか。早速入手したのでレビューしていきたい。

2020年2月25日に発売されたその商品の名は「ポテラッパー」。メーカーによると、これがあれば「スマホを操作しながら、本を読みながら、ゲームをしながら、手を汚さずにポテトチップスを食べることができる」そうだ。

加えて「現代に根付いた “ながら食べ” の習慣を後押しする」とのPRもなされており、なかなかに退廃的な一文がポテチジャンキーの心をくすぐってくる。

価格はAmazonで858円(2020年2月27日現在)。届いた商品のパッケージを見る限り、ポテチの袋に取り付けて使うものらしい。

箱を開けると、何やらペットボトルのフタを大きくしたような物体が出てきた。

このフタを袋の端に装着し、ポテチを砕いてからラッパ食いする寸法のようだ。ゆえに「ポテラッパー」というわけである。野性味は否めないが、確かにそれならば手は汚れない。ありそうでなかった商品設計である。

フタは分解できるようになっていて、上ブタ・中部・下部の3つのパーツに分かれる。さて、一体これをどうやって取り付ければいいのか。

と思っていたら、パッケージに装着方法が漏れなく書いてあった。説明がなかったら結構な途方の暮れ方をしていた公算が高いので一安心である。

というわけで、実際に「ポテラッパー」を装着して食べてみることにしよう。まずは備蓄しておいたポテチを一瞬で用意する。

次にポテチの袋の端を直径5~6cmくらいの穴が空くようにカットし、下部パーツを差し込む。

それが済んだら、下部パーツとの隙間がなくなるように袋の端を絞り……

そこへ中部パーツをかぶせ、ペットボトルのキャップをひねるような感じでジョイントする。

あとは上ブタを閉めてしまえば取り付け完了だ。コツをつかむのに少し時間がかかるが、慣れれば簡単である。

取り付けた結果、さながらポリタンクのような見慣れない姿が出来上がった。変貌ぶりに目が吸い寄せられてしまう。

とはいえ眺めてばかりいても仕方ないので、いざポテチを実食。

袋の上から砕いたのち、「ポテラッパー」越しに口に流し込む。

が、なかなか流れてこない。袋を持つ角度が緩かったのだろうかと思い、グイっと傾けてみる。


…………。



…………。



流れてこない


袋の中を覗いたところ、ポテチが内部で引っかかってしまっているようだった。相当に細かく砕かなければ、スムーズに食べるのは難しそうだ。

なので、何の恨みもないがポテチを粉々に破壊してから……

再び実食を開始。すると今度はサラサラと流れてきた。美味しい。ポテチがウマい。口に入ってきた瞬間、それしか考えられなくなる。


ああ……うめぇ……ポテチうめぇ……。



ホントうめぇよポテチ……。



ポテチうめぇ……


エサを食らう鯉のような姿勢でひとしきり堪能したあと、「ポテラッパー」の機能性を実感する。これは良い。多少引っかかる場面はあるものの、片手でちゃんと食べられる。普段より食感には欠けるが、ポテチを飲むように流し込める新感覚の快適さがそれを忘れさせる。

また、フタ付きであるという点もポイントが高い。こぼす心配なく食べ残しを保存しておけるし、なんなら外出先でも「ポテラッパー」を携帯しておけば活躍が見込めるだろう。ますますポテチライフが捗る予感がする。

ちなみにこのアイテム、メーカーが言うにはポテチに限らず様々な袋菓子に使えるとのこと。薄々そんな気はしていた。物は試しということで、粒状のチョコ菓子とピーナッツ菓子を用意し、これらも「ポテラッパー」をつけて食べてみることにした。


食べてみることにしたのだが……。



ポテチより全然食べやすいんだが?


チョコ菓子も、ピーナッツ菓子も、ポテチより遥かに食べやすい。細かく砕く必要がないうえに、全く引っかかりもなくスムーズに流れてくる。元々こうするための道具であったかのようにしっくりくる。「ポテラッパー」、ポテチ以外の方が適性が高いのでは? 

最後の最後にどんでん返しじみた展開になってしまったが、あくまで個人の感想であるし、前述の通りポテチへの接し方を変えてくれたことは確かである。その点は揺るぎない。ポテチであれ、それ以外の用途であれ、積極的におすすめできるアイテムだ。

気になった方にはひとまず試してもらいたい。筆者も折を見て利用していく所存である一方、これからいっそう堕落していきそうなのが少し怖い。「ポテラッパー」もある意味で、私の前に現れた悪魔なのかもしれない。我が人生がスムーズに流れていくことを願おう。

参照元:株式会社サイプラス「ポテラッパー」valuepressAmazon
Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
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▼「ポテラッパー」の内径は約3cm。これを通るサイズの袋入り菓子なら(これより大きくても砕けるなら)適性はあるだろう

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