急な坂道駆けのぼったら今も海が見えるでしょうか、ここは横須賀。この文だけで何のことか分かった人は、おそらく昭和生まれだろう。山口百恵の『横須賀ストーリー』がリリースされたのが1976年。その5年前の1971年からカレー専門店をやっている老舗が横須賀にある。

それが京浜急行線・横須賀中央駅から徒歩2分のところにある『カリーすなっく ベンガル』。今でこそカレー専門店は多いが、当時は珍しい存在だったそうな。お店を始めてから40年以上、今も変わらず愛されている味とは一体どんなものなのだろうか。

・駅近にあるカレー専門店

ということで実際に行ってみたのが今回の話だ。横須賀といえば海軍カレーやネイビーバーガーが有名だが、どうやらベンガルのカレーは海軍のものとは別物らしい。ちなみにベンガルという店名は、カレーになじみの深いインドの地名からとったそうだ。

横須賀中央駅の東口を出て、ロータリーを抜けるとお店に到着。いかにも “カレーやってます” 感のする黄色、そして何より陽気そうな男性の看板(ベンガルくんという名前らしい)がすぐに視界に入ってくるので迷うことはないだろう。

夕方17時すぎに入ると、晩ご飯の時間にはまだ早いからなのかお客さんは1人のみ。しかし、そこから人気の理由を知るまで時間はかからなかった。そう、あれよあれよと入ってきて17時半には満席になったのだ。しかも、店の外まで待ちができていたからスゴい!

・トッピングするのが主流

それでは実食……といきたいところだが、初めてのお店なので何を頼んだらいいか分からない。店員さんにオススメを聞いたら「何でもおいしいけど、お客さんのほとんどはトッピングをするよ」とアドバイスをもらった。ちなみにトッピングの種類はジャーマンソーセージ、エッグ、チーズ、ハンバーグの4つ。エッグだけ50円で他は150円だった。

この日、2人で訪れたのでビーフカレーとドライカレー(ともに700円)を注文し、それぞれ好みをトッピングした。待ち時間が少し長めに感じたが、手作りなので逆に期待が膨らむというものだ。

・優しい味でおふくろの味に近い

そんでお味の方はというと、そこらへんで食べるカレーとは一味……いや二味も違った。一言でいえば優しい味。数分数秒で出てくるカレーだと絶対に出せない味が舌から脳へと伝達される。身もだえすると表現したら大げさになるが、食べていてホッとする “手作り感” はおふくろの味に近いような感じがした。

ドカンと入ったソーセージといい、チーズもいい仕事をする。そしてドライカレーも食べたが、こちらもトッピングして正解。ハンバーグのジューシーさに辛さと甘さが絶妙にマッチしていて、カレーをすくうスプーンが止まらなかった。

好みにあわせて辛さが調整でき、トッピングも自由に選べる手作りカレー。それがベンガル。何度でも楽しめるから「これっきり」とはならず、通う人も多いのだろう。いいものはいつの時代になってもいい。山口百恵の歌声然り、ベンガルもそんな存在だった。

・今回ご紹介した店の詳細データ

店名 カリーすなっく ベンガル
住所 神奈川県横須賀市若松町1−9
時間 11:00〜21:30(LO21:00)
定休日 月曜

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼コンビニに限定パンがあったりするぞ

▼余談だが、駅近にある回転寿司もメチャクチャおいしい

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