年明け早々の1月2日には、2018年最大の満月が見られるという。俗に言う「スーパームーン」だ! これは今から楽しみ!! ……なのだが、この度、ちょっと気がかりな調査結果が発表された。

なんと満月の夜はバイクの死亡事故が増加するというのである。しかもスーパームーンだと、さらに事故件数は増えるのだとか。一体なぜなのだろう?

・満月だとバイクの死亡事故が増える?

イギリスの医学誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)』に発表されたこの調査結果。アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアで過去30年間に起こった「バイクの死亡事故」を調査したところ、満月が出ている夜には事故が起こる確率が高まることが判明した。

満月の夜には、他の月の夜に比べると5%の割合で事故が増加。月が地球に近づき、いつもより満月が大きく見える「スーパームーン」の場合は、32%も増加するというのである。

1975年〜2014年のアメリカのデータを分析してみたところ、満月の夜に起こった「バイクの死亡事故」の平均件数は1晩で9.10件、スーパームーンの場合は10.82件。満月ではない夜だと、その数字は8.64件に減少した。他3カ国でも同様の結果が判明しているとのこと。

・一瞬が命取りに

では、なぜ満月の夜には事故が起こるのか? その理由は、運転中に満月に気を取られてしまう人が多いからではないかと説明されている。道路から目を離したすきにバランスを崩し、事故を起こすというのだ。

普段よりも大きく明るい月が、山や建物の向こうからヌッと姿を現せば、誰だって目が行ってしまうはず。しかし、この一瞬が取り返しのつかない事故に繋がると調査チームは警告している。

・満月に気を取られないで!

調査を主導したトロント大学のドナルド・レデルメイヤー博士は「普通にバイクを運転する方が、シートベルトなし&酔っぱらって自動車を運転するよりも危険な状態だ」と説明。バイクの運転中には月に気を取られないようにするだけでなく、他のことも注意すべきだと述べている。

具体的には、ヘルメットをきちんと装着し、道路のコンディションや天候状態に気を配り、左折車にも注意すること。交通ルールを守り、無茶な運転は控える……などの注意点が挙げられている。

大きくて綺麗な満月が出ていれば、反射的に空を見上げてしまうもの。だがこの無意識が恐い。バイク乗りの皆さんは、是非とも満月に気を取られないように注意してほしい。

参照元:BMJ Woodrow Wilson School of Public and International Affairs(英語)、国立天文台
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.