いまやラーメンや寿司と並び「日本人の国民食の1つ」とされるカレー。インド風や欧風、さらにはご家庭で作るカレーも大変美味しく、おそらく私(P.K.サンジュン)も過去40年で軽く1000食以上のカレーを食べてきたハズだ。だがしかし……。

今回ご紹介する『スパイスカレー とくじろう』で食べた「薬膳カレー」は、私の教科書には載っていない個性的すぎるカレーであった。このカレーを食べたらきっとあなたもカレーの概念が変わる──。

・元寿司職人

2017年11月、東京は千駄木にオープンした『スパイスカレー とくじろう』。東京メトロ千駄木駅からは徒歩5分ほど、近所にある根津神社からは3分ほどの場所に店を構えている。

同店が一般的なカレー屋と大きく違うのはご主人が元寿司職人であるということ。寿司職人の地位を捨て都内のインドカレー店を始め様々なお店で修業し、辿り着いたのがオリジナリティあふれる「薬膳カレー」だ。

とくじろうのカレーは「カレー(薬膳カレー)」と「キーマーカレー」の2種類。そこに牛すじ、牛タン、チーズなどが加わっていく。また、ライスは無料で大盛りにできるぞ。

今回は両方のカレーが楽しめる「ダブルカレー」(950円)に「牛すじ100グラム」(200円)をトッピング、さらに「牛タンカレー」(990円)を注文した。ちなみに一番人気は「ダブルカレー」とのことである。

・個性的な味わい

3分ほどでやってきた薬膳カレーはルーの黒、生クリームの白、パセリのグリーン、さらには盛り付けも美しく流行りのフォトジェニックなビジュアルだ。さっそく一口食べてみると……。

ム、ムムム! なにこの後味──? カレーであることには間違いないが、最後にほんのわずかに苦みが残るではないか……これが薬膳なのか? 香り高く旨味も強いカレーにごくごく軽い苦み……。こんなにビターなカレーは初めてである。

実はコレ、スパイスを店で焙煎しているから出せる苦みであり、後引く味わいは個性的以外の何ものでもない。また備え付けの刻みピクルスを投入すると、苦みと甘みの絶妙なコントラストが味わえた。これは……新しい。

キーマカレーは苦みがないぶん個性には欠けるものの、万人受けする上品な味わいだ。じっくり煮込まれた牛すじも間違いのないウマさだから、千駄木に足を運ぶ際はぜひ『スパイスカレー とくじろう』のカレーを味わってみてはいかがだろうか? きっとあなたのカレー史に新たな1ページが加わることだろう。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 スパイスカレー とくじろう
住所 東京都文京区千駄木2-47-10
時間 ランチ11:30~14:30 / ディナー18:00~21:30
休日 火曜日

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼牛すじもウマい。

▼牛タンもプリプリ。

▼こんなビターなカレーは食べたことがない。

日本、〒113-0022 東京都文京区千駄木2丁目47−10