2017年10月22日に行われた第48回衆議院議員総選挙の投票。夜には、マスコミが悲喜こもごもの政治家たちの姿を報道した。そんな各局マスコミの選挙報道合戦に、大阪府民から怒りの声があがっている。その理由を以下に説明したい。

・台風21号襲来

昨夜と言えば、選挙の他にもう1つ大変なことがあった。そう、台風である。上陸前から猛烈な勢力が伝えられていた台風21号。私(中澤)が住んでいる東京も、昨晩から今朝にかけて強烈な風雨にさらされたのでその勢力を実感した人も多いだろう。

だが、大阪が受けた被害はそんなレベルではなかった。大阪では大和川が氾濫、21時55分に川に接する市内4区(住之江区、住吉区、東住吉区、平野区)に避難勧告が発令された。これにより影響を受けるのは約30万人にも及ぶ。

・大和川はマジでヤヴァイ

大和川は他の河川と比べて勾配が急で、ひとたび大雨が降ると一気に水が流れる特性を持っている。また、大阪平野よりも高いところを流れているため大都市も氾濫域に入ってくるのだ。

ちなみに、国土交通省が以前から「台風や豪雨による甚大な被害が発生する危険性を持っている」と注意喚起もしている。分かりやすく言うと、氾濫するとマジヤバイ川なのだ。

そんな川の氾濫。大阪出身の私には分かる……。選挙どころじゃねえ。選挙一色のマスコミの報道の裏では、まさに大災害が発生していたわけだ。そのため、昨夜の報道に関して大阪府民たちからは怒りの声があがっている。

・ネットの声

「大和川氾濫って大阪府民・奈良県民からしたら過去に類を見ないレベルの異常事態やのに、ニュースは選挙選挙ばっかりで人命軽視」
「維新の松井知事が台風の緊急対策をしないといけないから選挙の各局取材に対応出来ないと言ってるのに…ちょっとでイイから取材させてと食い下がるテレビ局って何なんだ!?」
「関西すんごいことなってるのに全くテレビでやらんやん」
「もういい加減、選挙報道、やめて、早く大和川氾濫危険の報道をして下さい」
「どんな台風が来ても、全く平気だった大阪が、50年以上ぶりの大和川氾濫と、交通機関ほぼ全滅と、避難勧告が出てるってどれだけヤバイことか、伝わってくれ……!!」
「選挙とかどうでもええから、人命に関わる大和川氾濫について詳しくテレビで放送せいや!!!」
「選挙特番を優先させすぎて、危機感が全くない。優先度は刻一刻と変わる、台風情報じゃないの…? テレビ局さんよ」
「私の親戚は大和川氾濫して避難してるのに政治家はバンザイしてる」
「選挙速報こそテロップで良い!」

──暗い中での避難勧告、報道どころか、緊急対策しようとする知事に時間を取らせるマスコミ……現地の人々は不安な夜を過ごしたに違いない。一夜明け、現在は避難勧告が解除されているが、冠水などの被害も甚大なようだ。川沿いの方はくれぐれもご注意を。

参照元:国土交通省大阪市
執筆:中澤星児
イラスト:Rocketnews24.

▼昨夜の氾濫の様子