世界の裏側とも一瞬で繋がれるインターネット。その便利さは今さら語るまでもないことだが、一方で、ネット登場以前の文化に与える影響も計り知れない。

現在、問題になっているのが、マンガを作者や出版元の許可なしに掲載する海賊版サイトだ。2018年2月13日、日本漫画家協会が海賊版サイトの利用について注意喚起を行っているためお伝えしたい。

・公式に声明を発表

マンガ家に何の報酬も払われず、広告収入によってサイト運営者のみが潤う海賊版サイト。日本漫画協会が発表した海賊版サイトへの見解は以下の通りだ。

「(中略)私たちマンガ家に限らず、ものを創作する人間は、作品を読んだり、観たり、聴いたりしてくれる人たちに、まずは楽しんでもらいたい、と考えています。そして、一生懸命作り上げた作品がきちんとみなさんの心に届き、感動として実を結んだときに、私たち作り手は充実感とか達成感を感じ、また次の創作に向けて頑張ることができるのです。

(中略)残念ながら最近、私たち作り手がその「輪」の外に追いやられてしまうことが増えています。その代わりに、全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります。

(中略)このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまうことでしょう」

──マンガのみならず、創作物全体に言及して海賊版サイトを非難している。便利で万能なインターネットの世界には、無法地帯のような場所が存在するのも事実だ。だが、それを使うということはどういうことか、今一度意味を考えてみてもいいのではないだろうか。

参照元:日本漫画家協会
執筆:中澤星児