少年ジャンプを語る時、30代にとって『るろうに剣心』は欠かせない作品なんじゃないだろうか。あの線の繊細さは子供心に衝撃だった。そんな『るろうに剣心』は、現在、北海道編がジャンプスクエアで連載されている。

薫の父・越路郎を探すため、剣心たちが北海道へ渡ることから物語が展開される北海道編。コミックスでは4巻までが刊行され順調に話が広がりつつあるのだが、そんな中ジャンプスクエア2020年7月号に掲載された最新話で、まさかのキャラが復活しネットに衝撃が走っている。ネタバレ注意

・北海道に集結

左之助はもちろん、斎藤一、十本刀などが続々と登場する北海道編。新キャラの中にも、志々雄真実のノコギリ刀「無限刃」で壱の秘剣・焔霊を使えるキャラがいたり、当時のファンにとっては何かと胸アツな展開だ

最新話では、小樽にいる剣心と左之助。小樽の街に異変をもたらした雅桐刀の元締め・雅桐(がとう)の拠点に向かうのだが、そこにいたのはなんと……

武田観柳

そう、『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』のコミックス4巻でアヘンとガトリングガンを密売して逮捕されたセンター分けである。っていうか、お前死刑ちゃうかったんかい

と思っていると、続きで小樽にいる理由が語られていた。まあ、この辺が気になる人はジャンプスクエアをご購入いただければと思う。

『るろうに剣心』の悪役の中でも、小物感がズバ抜けている武田観柳。もっと出演させるべきキャラはいくらでもいると思うが、ここに来てまさかのカムバックにネットはザワついている。

・ネット民混乱

「テンション上がる」
「センキュー北海道編」
「もうあと誰が出てきてもおかしくないな…」
「激熱すぎる」
「一巻で買うのやめたんだけど買わねばならん気がしてきた」
「雷十太も再登場しそう」
「比古清十郎も召喚されそうなので今からわくわくしています」

──などなど。意外とネット民には愛されているようだ。事実、リアルタイム世代の私もこのカムバックに突き刺さりまくってるしな。

・武田観柳の登場人物制作秘話

ちなみに、武田観柳が本編で登場するのは『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』のコミックス3巻と4巻。そして、4巻には、武田観柳の登場人物制作秘話が書かれているのだが、作者の和月伸宏先生は観柳について以下のように記していた。

「恵や御庭番衆に比重が片寄ってしまい、今イチ、悪役としては不出来だったかと思えて、かなり残念です」(『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』コミックス4巻より引用)

──当時、武田観柳について不完全燃焼だった感じが伝わってくる。今回のカムバックはそういうところもあってのものなのかもしれない。

始まった当初は、なんだか蛇足な気もしていた北海道編。が、正直、元ファン的には予想以上に突き刺さってくる。るろ剣読んでた人は必見かもしれない。

執筆・イラスト:中澤星児
Photo:Rocketnews24.