天気的にはあまり秋っぽくない暑さが続いているが、9月13日は令和初の中秋の名月! 旧暦の8月15日に該当する日。古来より、とにかく月を眺めて愛でる風習が根付いている。白玉団子とかの準備が進んでいるご家庭もあるだろう。

お月見にあたって、いつも通り天気などの定番の情報をお伝えしていくぞ! また、それだけだといまいち面白みが無いので、今年は月についてのちょっとしたトリビアなんかもあわせて紹介しよう!

・満月は9月14日

さっそくだが、今年の中秋の名月は満月ではないそうだ。国立天文台によると、満月自体は9月14日。たったの1日差なので、チラッと見ただけならほぼ満月ではあるが、よーーーーく見たら微妙に欠けているのがわかるだろう。

ちなみに東京を基準にした場合の月の出は17時44分。23時20分に南中して、午前5時1分に沈むそうだ。これは国立天文台の「今日のほしぞら」のページで確認できる。気になる方は、お住まいのエリアに設定を合わせてチェックしてみて欲しい。


・北海道、東北、沖縄は晴れ

次は天気を見ていこう。台風が過ぎたら基本的には晴れるもの。しかし関東は、ここ数日にわたって日が暮れるころになると、どうにも熱帯地方かと勘違いするレベルの激しい雷雨まみれ。夜も曇りがちで空が見えない。

はたして中秋の名月は見られるのか? 気象庁の週間天気予報によると……北海道、東北、そして沖縄は晴れ。しかしそれ以外は大体曇り。これは雲が途切れた瞬間に見えることを祈るしか無さそう。でも、晴れ渡った夜空の月もいいけど、雲の切れ間から見える月もそれはそれで良さがあるよな!


・月面のモニュメント

ということで、あとは月を見るだけだが、ただ眺めてもそんなに面白くないだろう。そこで今回は一つ、ちょっとしたストーリーを紹介しよう。それは、月面に残されたモニュメントについて。

ご存知の方は、なかなかの宇宙好きだろう。でも、ほとんどの方が「そんなものあるのかよ……!」って感じではなかろうか。あるのだ。設置したのはアポロ15号の船長デイヴィッド・スコット氏で、場所は「雨の海」と「晴れの海」の間辺りの着陸地点だ。

置かれているのは、「Fallen Astronaut」と名づけられたアルミニウム製の宇宙飛行士の彫刻と、14名のアメリカとソ連の宇宙飛行士たちの名前が書かれたプレート。その後誰も月面には行っていないので、今でもそのままあるだろう。どんなものかは、NASA公式HPで見ることが出来る。

記載された名前は、アポロ15号時点で判明していた宇宙開発で命を落とした宇宙飛行士たちのもの。「判明していた」というのは、国の機密主義など、なんらかの理由で把握できていなかった4名の名前が抜けているから。

当事はまだソ連もベルリンの壁も存在しており、米ソ関係もキューバ危機から数年だったりと、世界情勢は混迷を極めていた。それでも、このモニュメントは男女や国家の区別無く名前を記載するデザインとなっている。48年も前なのに、昨今でもなかなかないレベルのフェアな精神で作られていて、とてもエモくはないだろうか?

お月見のさなかにチラッとでも「雨の海」辺りが見えたら、忘れ去られて久しいこのモニュメントと、そこに込められた忘れるべきではないメッセージに思いを馳せてみてはいかがだろう。え、「雨の海」がわからない? そんな方はこちらの「月の地名特集」をどうぞ。

参考リンク:国立天文台[1] [2]、気象庁NASA
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.