動物たちは、言葉を話さない。だからこそ、彼らがどんな状態で、どんな気持ちでいるか、私たちは目を注いでいないといけない。それが動物と一緒にいさせてもらっている人間の務めだろう。

言葉がなくても、動物たちは、彼らなりのやり方で感情や気持ちを表してくれる。これからご紹介するネコの姿を見ていても、その気持ちが伝わってくるはずだ……。

オス猫フニーは16歳。人間の年齢に換算すると「80歳」になる高齢ネコだ。最近、飼い主さんが他界したため、米メリーランドのネコ専用シェルター「Alley Cat Rescue」で保護されることになった。飼い主の娘にあたる女性がフニーを引き取るつもりだったそうだが、ネコアレルギーであることが判明して泣く泣く断念したと伝えられている。

スタッフに優しく迎え入れられながらも、突然の環境の変化に不安そうな素振りを見せていたフニー。そんな彼が心の拠り所にしているのが、元の家から一緒にやって来たネコのヌイグルミだ……。

フニーにとって、その灰色と白の毛皮のネコのヌイグルミはとても大切な存在であり、シェルターでは片時も側を離れようとしないのだとか。スタッフも「ここまでヌイグルミに執着するネコは初めて見ました。とても大切な存在なんでしょうね」と語っている。

ヌイグルミは年季が入っていてクタクタで、ずっと昔からフニーと一緒にいたことがうかがえる。きっと飼い主さんはこのヌイグルミとフニーのことを大切にしていたのだろう。心細い思いなどさせたくなかったはず……でもフニーは後に残され、シェルターにやって来た。

メディア『The Dodo』などに取り上げられ、その悲しげな姿に胸を打たれる人が続出。2018年4月24日現在、新しい家族は決まっていないようだが、シェルターのSNS上には「希望者から連絡がいくつも寄せられている」と書かれている。どうか新しい家族が決まりますように!

飼い主の身に何か起これば、飼っている動物たちにも大きな影響を与えることになる。自分に何かあったときに、残された動物がどうなるか真剣に考えることが大切だ。

参照元:The Dodo(英語)Facebook、Instagram @alleycatrescue
執筆:小千谷サチ

▼ヌイグルミから離れないフニー
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