世界中で見られる「街の落書き」。芸術性が高いものから、ミミズがのたくったようなものまでピンキリだ。今回お伝えするのは、ある街の道路に描かれた「男性のナニ」の落書き。

しょうもない「ナニ」のイラストなのだが、そこには「道路に穴があいて危険だから、早く修復して!」という願いがこめられているのだとか……。

・道路のひび割れの上に「男性のナニ」が

この度、問題の「男性のナニ」が落書きされたのは、英ワトフォードのファーンリー通り。ひび割れたアスファルト道路の上に、黄色いスプレーで乱雑に「ナニ」が描かれたのだ。

なんの意味もなさそうな落書きだが、その横には「直して(Fix Me)」との言葉が。そう、これは「ひび割れを早く直して」というメッセージなのである。

・「ナニ」が描かれていたら目立つので……

なら、ただ「直して」と書くだけでいいのでは? いやいや、この「ナニ」がとても重要なのだ。

いかがわしい「ナニ」の絵が道路のど真ん中に描かれていたら嫌でも目立つ。「直して」という言葉よりもはるかに悪目立ちする。なので行政に気付いてもらいやすく、迅速に対処してくれるのでは……という訳なのだ。考えたね!

海外では、アスファルト道路にボコボコと穴があいていたりすることも多い。足をとられたり、自転車の車輪がひっかかって転んだりしたら、たしかに危ない。

・アーティスト「落書きすれば注目が集まり、修復されるはず」

道路の修復が必要な箇所に「ナニ」を落書きする行為は、2015年に Wanksy(ワンクシー)という名の身元不明のアーティストが行ったことで話題になった。

友人が路上の穴につまづいて怪我をしたことから、ワンクシーは英グレーター・マンチェスターの修復が必要な道路に、水で落ちるペンキで「ナニ」の絵を描いてまわったのだ。すると48時間後には、落書きした箇所が全て修復されたというではないか!

ワンクシーは、「修復が必要な箇所でも、毎日見ていれば見慣れてしまう。そういうところに落書きすれば、みんな注目して、行政に連絡するようになるし、修復もされるはず」と海外メディアに対して語っている。

しかし『Bored Panda』が伝えるところによると、行政側は「意味はない。落書きするだけ時間の無駄」と、ワンクシーの作戦をキッパリ否定したようだ。それでも、道路の穴やひび割れは危険。早くワトフォードの「ナニ」も修復されるといい。

参照元:Watford ObserverBored Panda(英語)、Twitter @MetroUK
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.

▼ワンクシーによる落書き。左が修理前、右が修理後
*画像がスマホ画面からハミ出ちゃう人は、スマホを横向きにしてみてね!

▼ワンクシーは色々な「ナニ」を描いているようだ

▼修復後も「ナニ」が残ったままのケースも

▼今回、ワトフォードに描かれた「ナニ」の落書き