冬の盛りはいつだっただろうか? そんな風に思えるほど、今季の冬は短かった。気が付けば春一番のしらせが届き、陽の光に暖かいものを感じる。そう、春だ。春が来たのだ。まだ寒の戻りがあるにせよ、誰かに尋ねるまでもないほど、うららかな日和である。

春の訪れはなぜか胸を躍らせる。それがたとえ、私(佐藤)のようなオジサンであってもだ。ある日、公園を訪ねた時のことだ。衝動的に芝生に寝ころんでみた。すると、胸のトキメキが抑えられなくなり、つい可愛いらしい写真を撮ってしまったのである。春のイタズラだろうか……。

・普段の私は……

普段の私を知る人なら、誰もが口をそろえてこう言うだろう。「態度が悪い」「横柄だ」「社会人としてなってない」。そのような評価を受ける理由は、私自身が良くわかっている。そうだ、その通りだ。多くの場合が不機嫌で態度が悪く、ぶっきらぼうで横柄に見えることだろう。社会人としては “成って” いるが、人によっては成ってないと見えるかもしれない。あえて釈明はすまい。そう見えるなら、それでいい。


だがしかし! そんな、愛想なし愛嬌なし、人に媚びず、日頃の大半が不機嫌な私でも、春の訪れにはめっぽう弱いのである。胸の奥底からフツフツと熱い何かが湧き出すのを止められない。それはきっとトキメキというヤツだろう。思わず芝生に寝ころんだが最後、マタタビにやられる猫のようにゴロゴロと転がり続けてしまったのだ、Like a rolling stone……。



あ~、気持ちイイ……


ああ~、気持ちッイイイ!


アハハハ! アハハハハ!! 気持ちイイ! 超気持ちイイイ!


自撮りしちゃうヨ! インスタ女子みたい? ねえ、インスタ女子みたいでしょ?


………ねえ………


お~い! こっちだよ~ッ!!


やべええええ、ギモヂィイイイイイイイイイ!


そんな訳で、天気の良い日に芝生に寝ころんだりすると、思わずはしゃいでしまうかも。まったく春の魔法にはお手上げだよ。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24