『Go To Eat キャンペーン Tokyo』が11月20日から都内でスタートした。「Go To イートって前からやってなかった?」と感じる人もいるだろうが、10月1日に始まった『前回のGo To イート』は “オンラインで飲食店を予約するとポイントが付与される” というタイプ。

対して『今回のGo To イート』は “プレミアム付き食事券を購入して飲食店で直接使用する” システムであり、同じGo To イートでも全く別モノなのだ。以前と違って紙のお食事券であれば、ネットが苦手な年配の方も安心……

と、思われたのだが……! 実際購入してみたところ想像以上にややこしく、「もっといい方法、なかったんかい」の連続であった。

・デジタル版とアナログ版

まずスマホでキャンペーンの公式アプリを開くと、『アナログ食事券(紙)』『デジタル食事券(電子決済)』のどちらを申し込むか選ぶことになる。ここで重要なのは「まず引換券の抽選(または先着順)に申し込み、当選したら食事券を購入できる」という流れであること。

不思議なのがアナログの場合は “1セット1万円で1万2500円分の食事券” なのに対し、デジタルは “1セット8000円で1万円分”  なのである(どちらも1回2セットまで購入可能)。還元率は同じだが、微妙に金額が違うのがややこしい。

さらにアナログ食事券を購入するにしても “スマホで申し込み” か “ハガキで申し込み” かの選択を迫られるなど、この時点でご年配に優しくない匂いがプンプンしている。この3パターンの入手方法、どれも一長一短であるため、個人的に感じた大まかな特徴を以下にまとめてみた。


①『デジタル食事券』の場合

【いい点】

・スマホ操作だけで手続きが完了する
・紙の券を持ち歩く必要がない
・クレジットカードまたはペイペイ残高で購入できる

【悪い点】

・先着順ではないため、当選か落選かがすぐには分からない
・使用できる店舗が限られている
・Yahoo! JAPAN IDが必要など、操作が多く面倒


②『アナログ食事券』をハガキで申し込む場合

【いい点】

・スマホがなくても大丈夫

【悪い点】

・先着順ではないため、当選か落選かがすぐには分からない(数週間かかる)
・ハガキを用意・発送しなくてはならない
・食事券販売所に行く必要がある



③『アナログ食事券』をスマホで申し込む場合

【いい点】

・先着順なので、購入できるかどうかがその場で分かる

・手順が比較的簡単

【悪い点】

・アナログなのに結局スマホが必要
・食事券販売所に行く必要がある


以上の点をふまえて、私はその場で購入の可否が分かる③の方法にトライしてみることにした。受付開始日(11月19日)午後16時のことである。この日のワイドショーではすでに各局が『Go To Eat 食事券』の話題を扱っており、もう間に合わないだろうと思っていたら……




なんと、あっさり受付完了! ラッキーラッキー!


・最寄りの食事券販売所へ

受付が完了すると引き換え画面のURLがメールで送られてくる。それを持って『Go To Eat キャンペーン Tokyo』最寄りの販売所へ行き、食事券を購入する仕組みだ。アナログなんだかデジタルなんだかさっぱり分からないなァ。

各市区町村のデパートや酒屋などが販売所になっているのだが、選択肢が少ないので注意してほしい。店頭で希望する購入数(1セットまたは2セット)を伝え、現金で支払えばOK。

さて、ここで気になるのが「購入は1人1回限りなのか?」という点だ。地域振興券など過去のプレミアム付き商品券を例に取ると、1人2万円というのはやや少なく感じる。しかし不思議なことに公式サイトのどこを見ても、その点について明確な記述がされていない。

販売所の方にそのあたりを尋ねてみると、「よく分からないけど、何回でもイケるんじゃないですかね? だって今日も同じ方が何度も列に並んで、別の引換券を使われていますからね」との答えだった。現場も手探り状態の様子だ。

紙の食事券を使用できる店舗はサイトに記載があるほか、飲食店店頭に貼られたステッカーからも確認できる。

飲食店サイドもまだクーポンの使い方を把握し切れていないらしい。レジでしばし待つ事態が発生しつつも、結果は無事使用することができた。食事券はおつりが出ないので端数は現金か決済アプリなどを使うといいだろう。


・問い合わせてみたら……

今回の『Go To Eat キャンペーン Tokyo』食事券の販売期限は2021年1月末、使用期限は2021年3月末までとなっている。利用できる飲食店数が多く、2万円分はあっという間に使い切ってしまいそうだ。

販売所で聞いた「何回も購入している人もいる」という件が気になった私は、確認のためキャンペーン専用窓口へ電話をかけてみた。すると「基本的には1人1回の購入をお願いしている」との回答だが、どうにも煮え切らない言い方ではないか。

さらに突っ込んでみたところ「システム的に個人が繰り返し購入することは可能だが、 “より多くの人に利用してほしい” というキャンペーンの意図としては、できれば各自1度だけの購入に留めてほしい。ただし判断は個人に任せる」ということであるらしかった。


キャンペーンの全貌を理解した個人的な感想としては「なんだかなぁ」って感じである。年配者やネット弱者にはシステムが難しく、なおかつ買い占めへの対策もないとは……「もっといい方法、なかったんかい」と思わずにいられない。

とはいえ経済対策はスピード感が第一であると聞くから、多少のほころびは仕方ないのかもしれないが。開始直前で仕組みが変更になるなど、運営側も試行錯誤している様子。期間中に何か対策が講じられるかもしれないし、しばらく様子をみるべきだろう。

今回私が利用した “『アナログ食事券』をスマホで申し込む” パターンは先着順ではあるものの、1日の販売上限が決まっており、今日ダメでもまた翌日トライできる仕組みだ。数打ちゃ当たる……のではないだろうか。多分。

ともかく絶対おトクな『Go To Eat キャンペーン Tokyo』、せっかくなら利用しないテはない。各自に合った方法で早めに申し込んでおくことをオススメする。そして……できれば近所のご年配にも購入方法を教えてあげてほしい!

参考リンク:『Go To Eat キャンペーン Tokyo』
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.